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新進気鋭2019 “春”を待つ男たち

楽天・内田靖人インタビュー ブレーク寸前の和製大砲 「勝ち残るためには、バッティングで目立つしかない」

 

今季で6年目を迎えた、球団待望の和製大砲候補だ。開幕スタメンの座をつかんだ昨季は、苦しみながらも後半に巻き返し、最終的に12本塁打をマーク。それでも本領を発揮しているとは言えない。スケールの大きな打撃は、伸びしろが十分にある。
取材・構成=富田庸 写真=佐藤真一、早浪章弘、井沢雄一郎


間近で体感できた“本物”の実力


 最下位からの巻き返しを誓うチームに、心強い援軍が加わった。昨季、主将として西武を10年ぶりのリーグ優勝に導いた浅村栄斗が、FA移籍してきたのだ。春季キャンプでは同じ右のスラッガーとして、刺激を受ける毎日を送った。この貴重な経験の数々を、シーズンでの活躍につなげる。

――オープン戦が本格化し、開幕まであと少しです。オフから春季キャンプまでの間、何か掲げたテーマはありましたか。

内田 僕が求めてきたのは、振っていく中での確実性ですね。昨季は最終的に打率2割を切ってしまいました(.198)。でも、2ケタ本塁打(12本)を打てたことはよかった。だからこそ、強く振る中で確率を上げていくことが、自分の中で大きなテーマです。

――昨年10月に南米・コロンビアで開催された23歳以下のワールドカップに出場しました。

内田 稲葉(稲葉篤紀)監督からはキャプテンを任せてもらいました。実際に何かすることがあったわけではないんですけどね。選手たちと積極的にコミュニケーションを取り、グラウンドでは大きな声を出し、とにかくチームを盛り上げられたらいいな、と。

――常総学院高時代、高校3年時に主将を務めていました。

内田 高校時代のほうが、まとめるのがずっと大変でした。代表チームは全員プロだし、一人ひとりが自分の役割を理解していましたから。個々の考えもありますし、それを尊重しながら行動することを第一に考えました。

――決勝では延長タイブレークの末、メキシコに敗れて準優勝。

内田 悔しかったですね。それまで全勝できていましたけど、最後に負けたら意味がないので。僕自身のことを言えば、ホームランを打つことはできましたけど(3本塁打)、大会を通して納得いく結果を残せたわけではありません。相手投手のデータがないからこそ、“準備”の部分が大事だと痛感しました。この経験を必ず、今後に生かさないといけないですね。

――そして春季キャンプがスタート。昨年までとの大きな違いは、浅村選手が加入したことです。

内田 久米島での1次キャンプでは、バッティング(のローテーション)を一緒に回らせてもらっていたので、間近で見させていただく機会が多かったんです。そばで見ているだけで勉強になることだらけですし、ミスが少なく、僕が求めている「確率の高さ」も持っている方なので。ああいう選手になりたいとあらためて思いました。

――その浅村選手は内田選手について、「飛ばす力は山川(山川穂高、西武)に負けないんじゃないか」と評価していました。

内田 うれしいですね。浅村さんには、バッティングについて・・・

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