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新進気鋭2019 “春”を待つ男たち

オリックス・榊原翼インタビュー 闘志みなぎる本格派 「新人王を獲って、エース候補と呼ばれたい」

 

昨季の開幕直前に支配下登録を勝ち取った20歳は、結果を求め過ぎて自らを見失った。だが、今季の開幕を前に迷いは消えた。闘志をむき出しにする自身のスタイルを貫き、掲げる“新人王”へ、リスタートを切る。
取材・構成=鶴田成秀、写真=佐藤真一


武器と経験を生かす


 期待に応えたい。だから結果を残したい。でも、打たれたら──。周囲の期待は、同時に21歳に不安を与えた。だが、不安を取り除いたのも“周りの人”だった。支配下登録を勝ち取った“闘志みなぎる投球”に、昨季の経験から得た課題も克服し、さらなる成長を目指す。

――今年は初めて“支配下選手”としてキャンプを過ごしました。

榊原 去年の今ごろは、とにかくガムシャラにやるだけでした。支配下になれば、今度は一軍が目標になり、そのために必要なことも考える。でも、僕の場合は支配下登録と同時に一軍に入ることができました。だから、正直「一軍で活躍するために」ということを考える余裕がなかったんですよね。それを経験したから、今年は「しっかり考えてやろう」と思ってキャンプを過ごしました。

――キャンプのブルペンでは、アウトカウントと走者の有無など、ケースを想定して投球していましたね。

榊原 想定することで、より低めに投げることを意識していました。

――低めへの意識は昨季の経験からでしょうか。

榊原 一軍と二軍の違いを痛感したんです。中でも開幕3戦目のデビュー戦ですね(4月1日、ソフトバンク戦=ヤフオクドーム)。1つのアウトも取れずに5失点して。緊張もあってボールが高めに浮いてしまったんですけど、一軍の打者は甘いボールを逃さない。やっぱり制球力を上げていかないと。しっかり低めに投げないといけないので、そこは意識しているんです。

――力任せではダメだ、と。

榊原 ただ、ベースは“力強いボール”が大事だと思っています。その“力強いボール”で空振りを取るためにも、制球が大事になるという考えなんです。ボールの威力と並行して制球力も上げないといけないと痛感したのが、デビュー戦でした。

――そのために、取り組んでいることは、何かあるのでしょうか。

榊原 特別ことはないんですけど、一番は意識をはっきり持つこと。状況によっては高めに投げることも必要になりますが、しっかり意図して投げるようにしています。高めに投げるなら、より強いボールを投げないと簡単に弾き返されてしまう。だから、キャンプのブルペンで、ケースを想定していたんです。

――投球の意図と意識を高めたキャンプだったのですね。

榊原 キャンプ序盤は不安だったんです。結果を残したい。打者を打ち取りたい。それが制球への意識を強く持ったことで、小さくなっていたんです。

――それは自分自身で感じたことですか。

榊原 周りの方々に指摘されたんです。キャンプ序盤の紅白戦で打たれて、コーチや若月(若月健矢)さんに・・・

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