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明日のチームを担う次世代エースの鼓動

中日・笠原祥太郎インタビュー 僕はパワーピッチャー 「緩急が武器と言われますが、ストレートの質に自信を持っています」

 

2018年後半にすい星のように現れたエース候補だ。昨季も開幕時点では先発ローテーション入りも、大量失点を繰り返し、二軍降格。一度は一軍戦力から弾かれていた。二軍で取り戻したのは“自信”。秋には日米野球でMLBオールスターチームを手玉に取った左腕の、新シーズンへの想い。
取材・構成=坂本匠、写真=小山真司、BBM ※オープン戦の成績は3月14日時点


「自信」は大切な言葉


 ドラゴンズの仲間たちからすると、「これほど優しい人はいない」のだと言う。確かに、練習を終えてインタビュールームに現れた笠原祥太郎は、アイシング姿を詫びながら、実に穏やかに話し始めた。一方で、「マウンドではまったくの別人」も仲間たちの左腕評。こちらは務めて冷静に淡々と仕事を全うする姿からで、コンビネーションによるフィニッシュは時に冷酷さも感じさせる。まずは飛躍のキッカケともなった二軍での出来事から話を聞こう。

──2年目の昨季に先発としてキャリアを伸ばし、迎えた3年目ですから、キャンプ、オープン戦と自分のペースでやりたいことができているのではないですか。

笠原 チームとしてやるべきことは当然ありますが、1年目、2年目に比較すると流れも分かっていますし、どの時期にどの段階まで状態を上げておかなければいけないかが分かるので。自分の時間というのも有意義に使えますし、調整方法はより良いものをと考えるから手探りの部分はありますけど、テーマを持って、考えながらできるようになっていますね。

──昨オフ、そしてキャンプを含めたこのプレシーズンの期間は、どんなテーマを掲げていたのですか。

笠原 昨年秋に侍ジャパンに選んでいただいて、日米野球にも出場したのですが、このときも含めて、シーズン後半からストレートが弱くなっている感覚がありました。ジャパンの活動が終わってからキャンプにかけて、ストレートの強さ、質、速さと全体的なレベルアップを念頭に置いて練習をしてきました。

──ストレートの質、強さを高めるためには、どのようなことに取り組むのですか。たとえば、中高生プレーヤーの読者の方にも興味があるテーマだと思います。

笠原 特別に変わったことをするわけではないんです。ウエート・トレーニングをしっかりとこなして、その上で、一番大切だと考えたのがフォームです。まず下半身の連動性。下がしっかりと、ロスなく使えていないと、力のあるボールは投げられません。その下で生み出した力を、左腕に伝えるための、上下の連動性も意識しました。実は昨季のビデオを見ていて、このフォームの部分でちょっとダメだったな、と再確認できたところがあったんです。

──具体的にはどのような部分ですか。

笠原 感覚の部分なので説明するのが難しいのですが、簡単に言うと・・・

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