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廣岡達朗連載「やれ」と言える信念

廣岡達朗コラム「イチローよ、人望など、これから作ればいい」

 

オリックス時代のイチローのフリー打撃


 イチローが引退した。

 初めて彼を生で見たのは、オリックス時代、当時の球団代表に呼ばれて行った沖縄キャンプだった。

 練習を見て、一目でこいつはすごいと思った。フリーバッティングで柵越えを連発。矢のような打球を同じ軌道を描いてスタンドへ運んでいった。しかし、ゲームになると、足で内野安打を稼ぐ。フリー打撃では下から上へとバットを出してホームランを放つが、ゲームになると上から叩く。練習と実戦でバッティングが違う。そこは彼なりに何か理由があったはずだ。

 外国人はイチローのようなタイプの打者を嫌う。だが、彼は自分のスタイルに徹して内野安打も積み重ねた上で日米通算4367安打をはじめ数々の記録を残した。偉いとしかいいようがない。

 もう一つ、キャンプで印象的だったのはランチタイムのときに、一人で食事をしていた姿だ。帽子を後ろ前にかぶって、誰もそばに近寄らない。変わった男だと思った。

 天才的な才能を持っているにもかかわらず自分自身を鍛え抜き、アメリカへ渡った。ウエートアップすればパワーが付くという幻想が間違いであり、体は柔らかく作らないといけない、とトレーニング。彼がやってきたことは間違っていない。だからあれだけの記録を残し、28年という長きにわたってプレーできた。何より私が評価したいのは・・・

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