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廣岡達朗連載「やれ」と言える信念

廣岡達朗コラム「新生早大に問う、基本と伝統」

 

応援団にあいさつする主将の加藤[左から5人目]。左から2人目は小宮山監督


 小宮山悟監督率いる新生早大が東京六大学の春季リーグ戦で3位に終わった。早慶戦では慶応に負けた。慶応の選手はウエートオーバーが目につき、ベルト付近がくびれている人間がいない。そういうチームに負けるのは、本当は恥だ。

 私は東大戦、法政戦と母校の試合を見るために、自ら車を運転してヤクルト監督時代にも慣れ親しんだ神宮球場へ足を運んだ。

 試合前の早稲田のノックを見ていて気づいたのは、基本の意味を分かっていないということだ。片手で打球を捕っている。横着というしかない。体の真ん中で捕った上で正確にステップして打者走者を殺せばいいところを、片手で捕って一塁でアウトにして得意げになっている。体の中心で捕ることがなぜ大切なのか。足を使い正確性が増すからだ。それなのに、逆シングルで捕った余勢を駆って左回りで投げた後に糸の切れた凧のように体が流れるのはナンセンス。投手は、ゴロを打たせて、正確に殺してくれればそれでいい。ファインプレーをしてくれなどとは小指の先ほども思っていないのだ。

 もうひとつ、いまの若い人は伝統ということを知らない。かつて早稲田の野球部には丸刈りの伝統があった。ところが、いまでは髪の毛を伸ばしている。近年では一番長い。小宮山監督はいったい何を教えているのか。

 丸刈りにするぐらいだったら、早稲田の野球部に入りたくない? ならば入らなければいいのだ。一生のうちたかだか4年、伝統を守れないような部員は早稲田には要らない。野球の技術より先に、伝統とは何かを叩き込むべきだ。

 安部寮に飾られている野球部訓には・・・

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