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2019球界ZOOM UP

日本ハム・変幻自在の栗山野球 ファイターズ強さの要因

 

例年、ペナントレースの行方を大きく左右する交流戦で、順調に白星を伸ばしているのが巨人日本ハムだ。ここでは“キーワード”をもとに、両球団の好調のワケをリポート。まずは交流戦でも着実に勝ち星を積み重ねている日本ハム。就任8年目を迎えた栗山英樹監督のタクトは例年以上にアグレッシブであり、大きな変化も見られる。指揮官の采配から好調の要因を探っていこう。


【KEY WORD 1】データをフル活用


 三塁手が二塁手と一塁手の間に陣取っても誰も驚かなくなった。今シーズンから日本ハムが試みている大胆な守備シフト。主に左のプルヒッターで走者なしの場面限定だが、4月18日のオリックス戦(ほっと神戸)では吉田正尚が打席に入ると三塁手の横尾俊建が一、二塁間の後方で守るシフトを敢行。打球は一、二塁間を破られたが、横尾が走りながら捕球して一塁に転送。通常なら右前打が“三ゴロ”となった。

 栗山英樹監督は真顔で言った。「誰が三塁手は三塁ベースで守りなさいと決めたの?」。各打者の打球方向のデータから飛んでくる可能性の高い場所に守る人数を厚くしただけのこと。メジャーでは多くの球団が採用しているが、ここまで大胆に継続的に実施しているのは日本では珍しい。大胆なシフトを敷かれた選手がシフトの逆を突こうと自分の打撃を崩してくれれば、さらに効果あり。相手に考えさせ、プレッシャーを与えることができる作戦でもある。

 日本ハムは今シーズンから野球をあらゆる角度から解析するアナリストを3人から4人体制にした。札幌ドームや二軍本拠地の鎌ケ谷にも設置しているトラックマンなどで得られた膨大なデータを解析する部隊を強化したのだ。選手の個々の能力だけではシーズンは勝ち抜くのは至難の業。野球におけるあらゆる数字をうまく勝利に結びつけられる“調味料”として首脳陣が常備し、特に采配する指揮官の判断材料が増えればチームを勝利へ導くスパイスとなることもある。

 栗山監督は「データは“どう読むか”が・・・

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