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選手の肖像インタビュー

中日・高橋周平インタビュー 足元を見つめて―― 「出来過ぎと言える数字ですが一打席一打席を丁寧にムダな打席がないようやってきた」

 

まばゆい輝きを放つ選手たちの“今”を切り取る不定期連載インタビュー。第2回のゲストは、目下のところセ・リーグのリーディングヒッターである竜の新キャプテンだ。6月は月間8度の猛打賞で“神様”川上哲治イチローに並ぶなど安打量産中。キャリア8年目の覚悟を聞いた。
取材・構成=坂本匠 写真=佐藤真一(インタビュー)、BBM


キッカケはファウル


 6月11日、5月度の『大樹生命月間MVP賞』を受賞した高橋周平は、大阪市内のホテルで記者会見に臨み、自身初のタイトルに「素直にうれしいです」と受賞の喜びを表しながらも、最後は表情を引き締め、1シーズンを通しての活躍を誓った。

「5月だけで終わらないように。まだ6月。シーズン終了までしっかりした成績を残していきたいです」

 5月はリーグでただ1人、打率4割台となる.417を記録。得点圏打率も驚異の.485で、40安打、29打点といずれもリーグトップの好成績を収めている。月が変わり、全18試合の交流戦に突入してもその勢いは衰えない。交流戦終了時点で打率.323は2位の鈴木誠也(広島)に4厘差をつけてセ・リーグトップで、85安打もリーグ最多。46打点は同5位タイと、いずれも上位に名を連ねる。

「普通に考えて、出来過ぎと言えるくらいの数字だと思いますけど、一打席一打席を丁寧にというか、ムダな打席がないようにやってきたつもりです。ただ、これで終わりではないので、調子に乗らずに。浮かれているような姿を見せたくないですし、そもそも今の成績が当たり前の選手ではないですから」

 プロ入りは2012年。東海大甲府高時代は甲子園出場こそないものの、通算で71本のホームランを放った左のスラッガーとして注目を集め、11年のドラフト会議ではオリックスヤクルト中日と3球団から1位重複指名(※甲子園出場経験のない高校生野手が、1位3球団競合は史上初)を受けてのドラゴンズ入団だった。高卒新人ながら、1年目から41試合の出場機会を得て2本のアーチを放つなどポテンシャルの一片を見せたが、順風満帆だったのはここまで。以降は常にレギュラーを争う立場にはいたものの、17年までは16年の75試合出場が最多。プロ7年目の昨季、128試合に出場して初めて規定打席をクリア(打率は.254。110安打、11本塁打、69打点)したばかりだから、現在の成績に本人が驚いているのも無理はない。

「昨年は規定打席に『立たせてもらった』という印象が・・・

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