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噂のHOPEに直撃

ヤクルト・梅野雄吾インタビュー いつか輝けるあの場所へ 「若いので疲れたとか言ってられない。60試合登板、30ホールドを目指す」

 

プロ3年目の今季、貴重な経験を積み重ねている。未知であり、あこがれの役割でもあったクローザーを任されることもあった。手痛い失敗で勝利の重みも痛感した。これらすべては未来への糧。強気な投球を身上とする右腕は、飛躍へ向けてひたむきに腕を振り続ける。
※成績・記録は6月23日時点 取材・構成=富田庸、写真=榎本郁也(インタビュー)、BBM


代役クローザーとして


 普段は温厚な指揮官から受けた、痛烈な言葉が原動力となった。昨季、二軍降格の通告とともに、小川淳司監督から投げかけられた言葉は「このままでは、プロ野球では通用しない。今のままではダメだ」。当時19歳の若武者へ向けた言葉にしては厳し過ぎるようにも思えたが、指揮官はその反発力に期待した。なかなか表には出にくいが、芯の強さと負けん気は人一倍。右腕は失意に沈むことなく、ファームで歯を食いしばりながら努力を重ね、再び一軍の舞台へ戻ってきた。

――プロ3年目の現状を、自身ではどうとらえているのでしょうか。

梅野 去年、序盤戦に一度先発させてもらったんですけど、結果を残せなくて(2018年5月5日の広島戦=神宮。2回途中、4安打5失点で降板)。監督、コーチからキツい言葉をもらって、「絶対に見返してやろう」と決意しました。その後はファームで必死に投げて、そこで認めてもらったかどうかは分からないけれど、8月に再び一軍に上げてもらいました。

――8月15日、中継ぎとして約3カ月ぶりの一軍登板を果たすと、チームがセ・リーグのAクラス争いを演じる中で、プロ初勝利を含む3勝10ホールドという堂々たる成績を残しました。

梅野 本格的に投げたのは8月以降ですから、自分の中ではチョロっと貢献した程度にしか思っていません。やはり、シーズン通して活躍しないと……。

――二軍で何かきっかけをつかんだ。

梅野 これがきっかけになったかどうかは分からないですけど、二軍ではクローザーを任されていたので。その位置で投げていて、“強気のピッチング”という自分の持ち味を再確認できたような気がします。

―― 一軍で勝負できる手応えは。

梅野 手応えまではいかないですけど、自分でも「一軍で投げられるんやな」とは思いましたね。

――今季、開幕一軍をつかみ、30試合近く登板を重ねています。開幕を迎えた時点で、一軍で戦えるという感触はありましたか。

梅野 開幕の時点で「セットアッパーとして1シーズン、絶対に投げ続ける」という目標を立てていました。最初のころは失敗もありましたけど、少しずつでも結果を残すこともできたので、自分としてはいいスタートが切れたかなとは思います。

――そんな中、5月6日にクローザーの石山泰稚選手が上半身のコンディション不良により登録抹消に。そして代役として白羽の矢が立ったのは、梅野選手でした。

梅野 言われたときはびっくりしましたけど、それ以上に・・・

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