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廣岡達朗連載「やれ」と言える信念

廣岡達朗コラム「このままだと菊池雄星は平凡な投手になってしまう」

 

マリナーズ・菊池雄星/写真=Getty Images


 野球で大切なのはバランスである。

 王貞治の一本足打法、あれは何のためにやっていたか。打球を遠くへ飛ばすために反動をつけるのだという人が多い。そうではない。バランスを安定させるためだ。現役時代に王は、軸足である左足一本で立ち続ける練習を徹底的にやっていた。最終的には右足がすっと上がった、俗にいうフラミンゴの体勢を保ったまま、周りが押そうが引こうが体の軸は微動だにしなくなった。かくして通算868本の本塁打は生まれたのだ。

 少なくとも王は、いまの西武の四番打者・山川穂高のように、ボールを打ち損ねたからといってひっくり返るようなマネはしなかった。

 山川の場合、バットを構えた状態から、受け身にならずに、打ちに行っている。そこが見どころであり、ホームランを量産している。ただ、あそこまで振り回す必要はどこにもない。芯で捉えさえすれば、いまの飛ぶボールなら楽々スタンドへ放り込むことができる。合気道で藁(わら)を切るには、静止状態から日本刀をダウンスイングで振るえばいい。山川には、シーズンオフの・・・

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