キューバの若き才能が、来日3年目(1年目は育成契約)でクローザーを任されるまでの成長を見せている。粗削りだったダイヤの原石は、母国のパワーに日本の技術を見事に取り入れ、今なお進化を続ける。来夏に迫る東京オリンピックでは、日本の強力なライバルとなる右腕に、今の思いを聞いた。 取材・構成=坂本匠 写真=宮原和也、BBM 通訳=桂川昇[中日] アウトを取り試合を締める
開幕こそ二軍で迎えたが、4月12日に一軍昇格すると、当初は中継ぎとして登板を重ね、次第に重要な場面での登板を任せられるようになっていく。193センチの長身から投げ下ろす角度あるファストボールの威力は抜群で、自身もリリーフ経験豊富な与田剛監督は交流戦突入を前に、不調の鈴木博志にかわり、22歳の若き右腕を浮上のキーマンとしてクローザーに抜擢した。 ――来日3年目のシーズンも、折り返しを迎えます。とても充実した前半戦だったのではないですか。
マルティネス(以下、R.M) 自分としても今の成績には満足していますが、まずは与田剛監督、ピッチングコーチの皆さんに、試合で起用してくれることを感謝したいと思います。日本に来て3年目で、このような成績を残し始めることができているのは、トレーニングのおかげではないでしょうか。
――1年目は育成契約で、支配下に昇格した2年目の昨季は一軍で7試合の登板でした。そして今季は前半戦終了時点で30試合登板をクリアしています。自分自身の変化を感じますか。
R.M 1年目は日本のプロ野球でプレーするのは初めてで、環境の違いもあり、様子見のような感覚もありました。2年目、そして今年に関しては、日本のプロのレベルにも慣れてきたかなと思います。プレーの面での一番の変化、成長と言えば、スピードが上がったことではないでしょうか。
――現在はMAXで158キロまで伸びています。球速アップの理由をどう考えていますか。
R.M 毎日のトレーニングによって、今のスピードにたどり着いたことは間違いありません。そのトレーニングに集中できるのも、信頼して試合に起用してもらえているからで、その信頼には結果で応えたいという責任感も影響していると思います。僕だって最初から速いボールが投げられたわけではありませんでした。キューバでは、少年時代にも周りには、僕より速いボールを投げる選手はいっぱいいました。僕が言えることは・・・
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