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わが心の甲子園 あの夏を忘れない

甲子園の応援歌にクリエーティビティを

 

甲子園のスタンドに鳴り響く応援歌、それは夏を彩る風物詩にもなっている。「野球音楽」を誰よりも愛するスージー鈴木氏が、甲子園応援歌の変化と進化、そしてあるべき姿に思いを馳せる。
文=スージー鈴木(野球文化評論家)→http://suzie.boy.jp、写真=BBM


 夏の甲子園の盛り上がりが止まらない。昨年の第100回記念大会は、秋田県立金足農高・吉田輝星投手が獅子奮迅の頑張りを見せたこともあり、観客動員は過去最高の100万人超えを達成した。

 そんな盛り上がりと並行して、日本の夏がいよいよ酷暑化してきたこともあり、スケジュール緩和や球数制限など、球児の体を守る施策の必要性が叫ばれてきたが、現状では、そういう施策整備のスピードを、盛り上がりのスピードが超えているように見受けられ、結果、いろいろな問題がウヤムヤになったまま、今年もまた夏を迎えることとなる。

 盛り上がりの結果として、夏の甲子園にまつわるあれやこれやが、好意的にメディアで取り上げられる。応援に関してもそうで、さまざまな応援歌のトリビアが紹介されたり、酷暑の中、汗まみれになって管楽器を吹く吹奏楽部員の姿が、美化して語られることとなる。

 本誌で「野球音楽」を紹介し続けている私などは、さぞかし「応援歌好き」の急先鋒と思われているのかもしれない。確かに、強烈な日差しの中、甲子園の外野席で、金管楽器のユニゾンに身を委ねていると、言葉では表現できない不思議な快感の中にいる自分に気付いてしまう。

 それでも(日本で唯一?)「野球文化評論家」を名乗る以上、夏の甲子園にまつわる諸問題を、客観的に冷静に捉えなければいけないとも思っている。だから、スケジュール緩和や球数制限などに賛同していきたいし、また旧態依然とした応援歌が、いまだに繰り返されていることの問題も指摘していきたいと思う。

 そんな私が夏の甲子園の応援歌に望みたいことを一言で言えば・・・

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