足踏み状態が続いていたが、巨人・原辰徳監督が7月30日の広島戦で通算1000勝を達成した。ここでは、過去の1000勝到達監督12人を紹介してみよう。

これぞ大監督の条件か

　1位は南海の鶴岡一人。厳しさとともに深い情で“親分”と言われ、選手に慕われた。1939年入団も1年で兵役へ。46年、監督兼任で復帰し、黄金時代を築いた。23年の監督生活で優勝は11回。Bクラスは2度のみで、いずれも4位だった。

　2位は三原脩。巨人の監督として49年に優勝に導くも、シベリア抑留から戻った水原茂の復帰もあって翌50年は実権のない背広の総監督となった。51年、九州福岡の西鉄監督に就任。54年初優勝、56年からは3年連続で水原率いる巨人を倒し、日本一に輝く。2人の戦いは巌流島決戦とも言われた。その後、60年に6年連続最下位だった大洋の監督となり、1年目から優勝、日本一に。1点差勝利も多く、多彩で奇抜にも映る戦術から「三原魔術」「三原マジック」と言われ、一世を風ふう靡び。その後は近鉄、ヤクルトを指揮した。

　3位は戦前の巨人黄金時代を築き上げた藤本定義だ。もともとは東京鉄道管理局大宮の監督で、35年、巨人との戦いに2勝1敗と勝ち越したことで誘われた。「茂林寺キャンプ」で選手の心身を鍛え上げたことでも知られる。戦後はパシフィックに始まり、転々。61年途中、阪神監督となった。今も巨人、阪神の2つで監督となったのは藤本だけだ。かつての教え子、川上哲治監督を・・・