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噂のHOPEに直撃

オリックス・田嶋大樹インタビュー 苦悩が左腕を強くする 「“適当”に“大胆”に、が自分らしさ。考え過ぎずに最善の方法を探したい」

 

1年目の昨季は6月までに6勝を挙げるも、左ヒジを痛めて戦線離脱。野球人生で初の“投げられない”苦しさを味わうも、「野球を楽しむ」をテーマに掲げ今年6月5日に1年ぶりの勝利を手にした。ただ、現在は「数字に惑わされている」と悩みもがく。今なお試行錯誤を続ける左腕。その胸中に迫る。
取材・構成=鶴田成秀 写真=石井愛子(インタビュー)、BBM


心からの“悔しさ”投げられる喜びを胸に


 即戦力の期待を寄せられ、昨季ドラフト1位で入団し、6月までに6勝(3敗)をマーク。ただ、以降は左ヒジ痛で登板なしに終わった。一軍で活躍するチームメートを見届けるだけの日々。そこで“初めて”感じる悔しさが、復活勝利につながった。

――昨季とマウンドで見える景色は違いますか。

田嶋 1年目は何も分からなかったので、来る日、来る日を漠然とこなしてきた感じでした。その中で勝ち星が早い段階で6つ付いて。正直、実感がなかったんですよね。だから、違いというより、去年は深く考えていませんでした。

――なぜ勝てたのか、自分では分からなかったということですか。

田嶋 ただ自分のストレートを投げ込んで、打者が凡打してくれた。そのアウトの積み重ねで勝てたと思うんです。そんなに深く考えてピッチングをしていなかったんですよね。

――今は考えるようになった、と。

田嶋 そこに行く前にケガをしてしまったので。だから、体づくりとか、基本的なことからのやり直しでした。体のケアなどでコンディションを整える必要がある。勝つために何が必要かは、試合をこなしていく中で見えてくるものなのに、そこに行けなかったんです。

――ヒジの張りで昨年7月から長期離脱。投手にとって「ボールが投げられない」というのは苦しい時期だったと思います。

田嶋 つらかったです。投げたかったです。今までは、投げられることが当たり前だったけど、いざ、投げられないとなると、こんなにしんどいものなのかと痛感しました。

――そこで新たに気が付いたこともあるのでは。

田嶋 今までは野球をするのが当たり前でした。当たり前過ぎて、どこか野球をやるのが義務になり、嫌々やっている・・・

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