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高校野球不滅の名勝負 伝説の夏回顧

1998年夏の甲子園回顧 史上最多の55代表校がしのぎを削った記念大会。圧倒的強さを見せつけた横浜が公式戦無敗で制覇

 

横浜が史上5校目の春夏連覇を達成した1998年夏の戦い。優勝した横浜を中心に、上位校の戦いぶりと話題に富んだ大会を振り返る。
写真=BBM ※記録は発刊時の2014年現在

最後の打者を三振に抑え、59年ぶり2度目の決勝戦ノーヒットノーランを達成した横浜のエース・松坂。京都成章を3対0で下して史上5校目の春夏連覇を遂げた


 史上最多の55代表校によって争われた1998年夏の甲子園、第80回記念大会は、史上最長の17日間にわたって熱戦が繰り広げられ、春のセンバツを制した横浜が18年ぶり2度目の優勝。史上5校目となる春夏連覇を遂げた。

 終わってみれば横浜が圧倒的な強さを見せつけた優勝だった。エース・松坂大輔は、MAX150キロ超の速球に高速スライダー、カーブ、チェンジアップを絶妙に駆使して打者をうちとり、力のある打線と6試合で失策1の堅い守りが怪物エースを強力に援護。準々決勝はPL学園を相手に延長17回の死闘を制し、明徳義熟との準決勝は、6点差を8、9回の猛攻撃で跳ね返しての逆転サヨナラ勝ち。苦しい試合をものにして決勝進出を果たすと、最後は松坂が京都成章をノービットノーランで下す快挙を達成。新チーム結成以来、公式戦無敗の41連勝で「史上最強チーム」の称号を手にした。

 惜しくも敗れたが、横浜を追い詰めた2校の健闘は大いに称えられる。PL学園は、稲田学、上重聡の2本柱が安定。.647の高打率を残した一番・田中一徳をはじめ攻撃もそつがなく、松坂からも13安打、7得点。さすが試合巧者と思わせる戦いぶりだった。明徳義熟は、寺本四郎高橋一正の二枚看板と強力打線を武器に勝ち上がった。横浜戦では一番を打つ藤本敏也がサイクルヒットを達成。PL学園戦完投の松坂に代わる2投手から長打攻勢で6点を奪いながらリードを守れなかったのは悔やまれるが、力は出し切った。

 準優勝の京都成章は、決勝はノーヒットノーランに終わったが、左腕エース・古岡基紀の奮投が光った。2回戦の如水館戦、準決勝の豊田大谷戦の2度にわたって毎回奪三振をマーク、横浜打線も3点に抑えた。一戦ごとに安定感を増し、打線のつながりもできての快進撃だった。

 京都成章に準決勝で敗れた豊田大谷もバランスの取れた好チーム。注目のスラッガー・古木克明の調子が上がらず、好投してきたエース・上田晃広が力尽きて4強に終わったが、接戦を制する強さは見せた。記念大会の日程の都合で、甲子園練習がなかったことが影響してか、開幕初日から・・・

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