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スペシャルインタビュー

巨人・山口俊インタビュー “前”だけを見ている 「今季のテーマは負けないピッチャー」

 

セ・リーグのハーラーダービートップを独走中。巨人移籍3年目は、先発ローテーションの大きな柱となった。勝利、防御率、奪三振、勝率と投手4冠が射程圏もその視界にとらえるのはチームへの貢献だけだ。
※文中の記録は8月18日時点 取材・構成=坂本匠 写真=高原由佳(インタビュー)、小山真司、BBM


“A”にフォーカス


 7月16日以降(この時点では貯金19で2位・DeNAとのゲーム差は最大の10.5)、12試合で3勝9敗と黒星が先行し、DeNA、3位・広島とのゲーム差が縮まりつつある中、ショッキングなニュースが飛び込んできた。8月1日、その時点でセ・リーグトップの11勝、勝率.846、防御率2.55、131奪三振と、主要投手部門4冠に立っていた山口俊が、右ヒジ周囲の筋肉の張りで登録を抹消されたのだ。開幕から先発ローテーションの、大きな柱となっていた右腕の離脱は少なからずチームに動揺を与え、7月31日から8月6日まで今季最大の6連敗を喫し、DeNAにはゲーム差0.5まで肉薄される。その後、引き分けを挟んで5連勝して少しだけ盛り返したが、そんな苦しい状況での、8月12日の広島戦(マツダ広島)は、待望の復帰マウンドとなった。

――菅野智之選手の腰の違和感による離脱もあって、開幕から1人で先発ローテーションを守り抜いてきましたから、「右ヒジ周囲の違和感」による離脱は心配でした。

山口 もう、問題はありません。ただ、一番大事な時期での離脱でしたから、最短で行けるように準備をしていこうと。その間にフォームの確認だったり、やれることをしっかりとやって、上がるときに完璧に近い形で上がらないとダメですから、この期間をムダにしないように、と考えていました。

――復帰は抹消から12日目、V奪回に向けて大事な、大事な広島戦(8月12日、マツダ広島)でした。この試合ではチームとして80球の縛りがあった関係で4回途中4失点で降板しましたが、打線の援護もあってチームは勝利(※山口に勝ち負けつかず)。そして18日の阪神戦(東京ドーム)では、中5日の登板で6回2/3、8安打3失点とゲームを作り、12勝目を挙げました。

山口 前回(広島戦)よりは感覚は良くなってきていると思いますが、でも、まだもう1つ上のレベルでステップアップできるかなと感じました。それに、この試合は1イニングでも多く投げないといけなかったです。あそこ(7回途中)で降りるというのは情けないなと。ただ、苦しいときに真っすぐで貫き通せた。そこは収穫です。今後の大事な試合に向けてもいい部分が出せたかなと思います。

――巨人移籍3年目、チームは優勝に向けて2位以下を引き離しにかかっていますが、ここまでのパフォーマンスをどう考えていますか。

山口 1度ローテーションを飛ばす形になってしまいましたが、ここまでは客観的に見ても良い成績を残せているのではないかと思います。自分が今シーズン取り組んできたこと、その方法が間違いではなかったのかなと。

――取り込んできたこと、その方法というのはどんなことですか。

山口 1試合1試合、もっと言うと、1日1日の練習の中でも、修正ポイントって出てくるものなんです。その修正ポイントに対して・・・

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