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スペシャルインタビュー

ロッテ・鈴木大地インタビュー “超”ユーティリティーの輝き 「絶対に巻き返してやる――。開幕戦の夜にそう誓った」

 

開幕スタメンを逃し、連続試合出場もストップ。どん底からのスタートとなった2019年、しかし、ロッテのチームリーダーはそれでも前を向いた。反骨心と「何でもやってやる」の精神で、攻守万能な真の“ユーティリティー”へと変貌を遂げている。
※文中の記録は8月18日時点 取材・構成=杉浦多夢 写真=高塩隆(インタビュー)、BBM


自分のスイング


 チームリーダーのバットが止まらない。3・4月こそ打率.260のスタートだったが、5月に.303と調子を上向かせると、6月は.344、7本塁打、21打点で自身初の月間MVPに輝き、夏場を迎えても打棒は衰えるどころかますます勢いを増している。7月は.322、8月は18日時点で.303と、今の鈴木大地は誰もが認めるマリン打線のけん引車だ。

 目立つのは右方向への鋭い打球。全126安打のうちセンターから右の打球は101本、すでにキャリアハイを更新している本塁打は14本のうち12本を右翼スタンドに突き刺している。だが、それは「自分のスイングで思い切り打ちにいく」というシンプルなスタイルを貫いた結果に過ぎないようだ。

「バッティングの感覚はいいときもあれば、もちろん良くないときもあります。調子がいいときというのは何をしても打てるんです。でも、打つときは打つけど、打てないときはとことん打てないというのが昨年までの自分でした。今年は『今日は打てないかな』『感覚が良くないな』というときでも我慢しながらヒットが1本出たり、最低でもフォアボールを取ったりということができている。調子が良くない中でもヒットが1本出れば、それが調子を上向かせる一番いい薬になりますから。

 昨年は経験したことがないほど長いスランプになって、全体練習前のロングティーや、試合後も室内練習場で振り込むということを始めました。最初は『やらなきゃ』と思って始めたことでしたが、今ではそれが当たり前になっているし、それを当たり前にこなせる体力もついてきました。試合前も試合後も、毎日の練習をすっきりとした形で終えることができています。

 メンタル的にもアップダウンが減りました。結局、調子が良くても打てないときがあれば、調子が悪いのに打ててしまうこともある。だから1打席や2打席、結果が出なくても引きずらないですし、『じゃあ次の打席で』と切り替えることができる。

 そうした割り切りは・・・

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