週刊ベースボールONLINE

CS進出争いのキーマン

ロッテ・井上晴哉インタビュー 自分のやるべき仕事 「ホームラン──求めているものも求められているものも、やはりそこなので」

 

苦しい時期を抜け、ようやく本来の姿が戻ってきた。豪快な一発、勝負どころでの一撃。もつれにもつれるCS争いを制するためにも、そしてマリン打線がさらに波に乗っていくためにも、この男のバットが欠かせない。
※記録は9月8日現在 取材・構成=杉浦多夢、写真=榎本郁也


求められているもの


 覚醒した大砲──。昨季、打率.292、24本塁打、99打点とまさに四番の風格を身につけた井上晴哉だったが、真価が問われた今季は苦しんだ。開幕スタメン四番を任されながら、自分の打撃を見失い、早々に二軍調整を余儀なくされた。そこから時間を掛けながらも徐々に調子を取り戻していき、最終盤に差し掛かった今、ようやく求められている姿に近づきつつある。

──今は自分の打撃に手応えがあるのではないでしょうか。

井上 はまったり、はまらなかったりはありますけど、納得のいくスイングは続いていますね。ずっと試行錯誤しながら、ああでもないこうでもないということをやっていたんですけど、今は「ああ、こういう感じか」という向かうべき方向性のようなものは見えています。

──開幕からしばらくは苦しい時期が続きましたが、どんなことを試行錯誤していたのでしょうか。

井上 メンタル面と技術面、両方ありましたね。メンタルでいうと、昨年あれだけの数字を残したので、今年もやらなければいけないというプレッシャーがあって。周囲の「やってくれるだろう」という期待も感じていました。

──技術面はいかがでしょうか。

井上 昨年、数字を残したことで、変に同じものを追いかけ過ぎているところがありました。新しい自分を発見できないまま、昨年で満足してしまっているようなスイングで。昨年はこういうふうにやっていたから同じようにやろうと。でも、相手も研究をしてくる中で、それでは打てないですよね。実際、何より打席に立つ姿というのが自分でも弱々しかったと思います。昨年のバッティングの形が完成ではないのに、まるでそれが完成であるかのように、ずっとこれをやっていこうという意識でやってしまっていた。本当はそこにプラスαが必要で、オフやキャンプのときから取り組んでこなければいけなかったはずなんですけど。

──開幕スタメン四番を任されながら、6試合目でスタメンを外れ、二軍調整もありました。

井上 結局、バランスだと思うんですよね。ずっとボディターン、ボディターンでやってきましたけど、そこだけをやり過ぎるとバットの扱い方がついてこない。体を回すことは必要なのですが、バランスが崩れてくるとバットの扱い方が小さい、豪快ではない、フォロースルーも大きくない。だから二軍で調整しているときは、まず・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

HOT TOPICS

HOT TOPICS

球界の気になる動きを週刊ベースボール編集部がピックアップ。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング