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吉田正尚の頂ロード Road to Top

吉田正尚コラム「アイツの打席を見たい。そう思われる選手であり続けたい」

 


今度は夢を与えたい


 誰よりも遠くに飛ばしたい──。その一心で幼いころからバットを振ってきました。小学生のころから身長が決して高くはなかった僕ですが、だからといって長打は打てないと思ったことはない。むしろ「体が大きいヤツには負けたくない」と思っていました。ホームランが打撃のすべてではありませんが、魅力があるのは僕自身も感じてきたこと。中でも魅了されたのはバリー・ボンズ(元MLBジャイアンツほか)が放つ場外弾。『A&ATパーク』の右翼場外、サンフランシスコ湾まで運ぶ豪快なアーチ“スプラッシュ・ヒット”を目にするたびに心は躍っていました。

 だから、僕が目指しているのは“幅のある打撃”ですが、ホームランにこだわりがないと言えばウソになる。本塁打は夢や希望を与えられるものだからこそ打てる選手でありたい。そしてファンの方たちに「アイツの打席を球場で見たい」と思ってもらいたいし、観戦に来て、仮に大差の一方的な試合展開になっても帰ることなく「アイツの打席だけは見たい」と思ってもらえる選手であり続けたい。それは、いちプロ野球選手として常に思っていることなんです。

 僕の本塁打が子どもたちに夢や希望を与えられたらいい。そんな思いもあって、今年は1本塁打ごとに、認定NPO法人の『国境なき子どもたち』に10万円を寄付することを決めました。カンボジア、フィリピン、バングラデシュなど、開発途上国で貧困に苦しむ子どもたちのため、助けを必要としている子どもたちに少しでも多くの支援を届けられるよう、自分も頑張る。その思いで寄付することにしたんです。

 ただ、1年目(2016年)は、プロの世界でホームランを打てるのだろうかと不安もあったんです。長打力を評価されてオリックスに入団しましたが・・・

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