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2019惜別リポート

ヤクルト・館山昌平、畠山和洋 投打の柱が神宮に別れ

 

シーズンも最終盤。引退を表明した選手たちの会見や引退試合が行われた。今回はその中の幾つかを紹介していく。
写真=桜井ひとし

館山は苦しい時期も変わらず声援を送ってくれた燕党に感謝した


 2000年代に投打の柱としてチームを支えた2人が現役生活にピリオドを打った。

 9月21日の中日戦(神宮)、先発のマウンドに立ったのは、09年に16勝を挙げて最多勝に輝くなど活躍を見せた、通算85勝右腕の館山昌平だ。中日・大島洋平との1打席勝負では、外角低めの144キロ直球で二ゴロに打ち取った。「たくさんケガをしましたが、打者と真っ向勝負できたことは誇り」。登板後は小川淳司監督が自らマウンドへ出向いて交代を告げ、9度の手術を乗り越えた不屈の右腕を労った。

ナインの手で胴上げされる畠山。長く中軸として強力打線を支えてきた


 チームの主砲として貢献してきた畠山和洋は6回、四番・バレンティンの代打として登場した。「初めて、打てなかったらどうしようという不安がなく打席に入れた」。その打球が詰まりながらも右前に落ち、通算937安打目をマークした。

 試合後のセレモニーで、館山は1歳上の左腕・石川雅規へ感謝の言葉を並べた。「プロ入り前から背中を追いかけてきました。距離を縮めることもできませんでしたが、石川さんがいなければ僕の成績はありません」。この言葉に石川も涙した。

 畠山は「ファンとともに19年間戦えたことは誇り」と涙をぬぐった。「若い選手が再びリーグ優勝に導いてくれると確信している」と、後輩に未来を託してグラウンドを去った。
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