週刊ベースボールONLINE

噂のHOPEに直撃

広島・遠藤淳志インタビュー 後悔するより腕を振れ! 「気持ちの面で自分自身に負けることなく、相手のバッターと戦えていたのがよかったと思います」

 

6月に初めて一軍登録されると、初登板から10試合連続無失点。その後も好投を続け、やがて勝ちパターンのセットアップを任されるまでになった。8月にプロ初勝利とプロ初セーブも記録し、順調に来ていたが、シーズン終盤には失速し試練も。それでも高卒2年目の大型右腕の前には、洋々たる未来が広がっている。
取材・構成=藤本泰祐 写真=松村真行(インタビュー写真)、BBM


山口がやってくれたから「自分もできる」と


 プロ初勝利、初セーブまでは、無我夢中で投げ、順調に進んできた。しかし、その後は好不調の波が激しく一進一退。シーズン終盤は試練も味わうことになった。

――シーズン終盤の登板の中では、2回続けてリリーフに失敗した後の、9月7日の阪神戦(マツダ広島)が、最も重圧のかかる登板だったと思いますが(4点差負けの状況で2回無失点)。

遠藤 悪かった後、答えが見つからず、悩んでいた部分もあった中で、2イニングをゼロで抑えられたというのはホッとしました。マウンドに上がるときは、それはもう緊張しましたね。ただ、不安な部分はあったんですけど、“全部が経験だ”と。悪いときも、球速は落ちてはいなかったですし、ボールの質としては問題なかったのですが、やっぱり少しフォームにズレがあって高めに行ってしまったところがあったので、リリースポイントを前に持っていき、低く投げることだけを意識しました。そうして、悪かったときもしっかり自分で反省しながら、一つ課題をクリアできたのはいいことかと思います。気持ちの面でも。

――時間を戻して、プロ入りから今年の活躍に至るまでのところをうかがいたいのですが、1年目はファームでも8月まで登板せずにじっくりと体づくりに時間をかけました。

遠藤 この時期はチームの方針に沿ってですね。体を鍛えるために、練習の中だけでしっかりやりました。そこは今、自分にとってプラスになっているので、よかったかなと思います。投げられなくて物足りない部分は少しありましたが、「ここを頑張れば、すぐに一軍に上がって活躍できるんじゃないか」ということを想像しながら、ポジティブに練習をしていました。

――8月からファームの試合に投げて、今春のキャンプでは一軍にも呼ばれました。その後は計画どおりでしたか。

遠藤 早かったですね。結果が出るままに来た感じです。

――遠藤選手が一軍に上がる前に、同期の山口(山口翔)投手が初登板で8回途中までノーヒットの快投で初勝利を挙げました。

遠藤 山口とは「2人で一軍で勝てればいいな」と言いながらずっとやってきたので、先に初勝利を挙げられたときには悔しさもありました。でも、それがあったからこそ、自分が今、やれているのかなと思います。山口の存在がなかったら、たぶん自分はまだ、一軍で投げられてはいないんじゃないかなと思います。山口が勝ったとき、悔しさも半分ありましたが、「自分もやってやろうじゃないか」と思いましたし。「自分もできるはず」と思えたのは、山口がやってくれたからです。

――その山口投手を追いかけるように6月7日(ソフトバンク戦=マツダ広島)にプロ初登板を迎えました。

遠藤 いやもう、あのときは一番緊張しましたね。初登板のマウンドは不安は大きかったですけど、そこで・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

HOT TOPICS

HOT TOPICS

球界の気になる動きを週刊ベースボール編集部がピックアップ。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング