日本選手権準V、素直に喜べず

　甲子園、東京ドームと実績を積んできたキャリアこそが、河野竜生の支えだ。

　鳴門高へは3歳上の兄(祐斗、明大-日立製作所内野手)がいた縁で進学。3年間、大きなケガもなく皆勤賞だった。同級生には尾崎海晴、中山晶量がおり、入学早々の練習試合から登板機会に恵まれた。チーム内のライバルと切磋琢磨し、3年連続で夏の甲子園に出場した。

　高卒入社のドラフト解禁は3年である。「少しでもプロに近いレベルで野球がしたい」と、河野は社会人野球の強豪・JFE西日本の道を選んだ。

　1年目は三菱重工広島、2年目はJR西日本の補強選手として東京ドームのマウンドを踏んでいる。昨年はJR北海道硬式野球クラブとの1回戦で救援勝利を挙げると、東芝との2回戦では先発し6回1失点で8強進出に貢献。「自分のピッチングに集中した」と、他社のユニフォームを着てNPBスカウトにもアピールとなったが・・・