小さな体に、爆発的なパワーと、負けん気の強さを秘める。ペナントレース後半戦、すい星のごとく現れた167センチ右腕に、ドラゴンズファンは希望の光を見たのではないか。先発7試合で3勝ながら、転換期にあるチームにとっては頼もしい19歳。2020年の先発ローテーション投手として飛躍が期待される。 取材・構成=坂本匠 写真=松村真行(インタビュー)、BBM 一軍先発デビューはちょっとだけビビる
プロ1年目の昨季は終盤に1試合のみの登板だったが、今季はチームがAクラス入りへの可能性を残す7月後半に初昇格。同24日の広島戦(マツダ広島)にプロ初先発で今季初登板を果たすと、試合日程の都合で2試合の中継ぎ登板があったものの、ペナントレース終了までの2カ月、7試合で先発のマウンドに立ち、3勝(3敗、防御率2.98)を挙げる活躍を見せた。高卒2年目の19歳。伸びしろも十分に残す2020年のスターター候補である。 ――プロ2年目のシーズンを終えて、率直にどんなことを感じていますか。
山本 数字的には満足できるものではありません。今年のシーズンを迎えるとき、開幕から一軍に入って、1年間一軍で投げ続けることを目標にしていたので。結局、開幕は二軍ですし、一軍では9試合にしか投げていない。正直、すべてにおいて物足りないな、という感覚があります。
――「1年間」というわけにはいかなかったものの、7月24日の初登板からペナントレース終了までの約2カ月間は、一軍の先発ローテーションに食い込んだわけで、手応えも感じられたのではないですか。
山本 今の自分の実力と、一軍で投げていての感覚は悪くなかったかなと感じています。前半戦はずっとファームで投げていて、その期間もコンスタントに試合で投げ、自分としては内容も伴っていたと感じています。その中で、課題を1つずつ克服できていったので、「1年間一軍」という目標とは矛盾してしまうかもしれないですが、必要な時間だったのかなと。逆にこの半年間がなかったら、3勝も一軍で投げて得られた感覚や自信も、同じようには手にできなかったかもしれません。
――二軍では13試合の登板で1つの完封含む3完投。一軍での先発を見据えた育成プランがうかがえます。
山本 1試合を任せてもらって、しっかりと投げ抜くことができると、自信が生まれます。今振り返って考えると・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン