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FA移籍の系譜 移籍戦線を激変させた衝撃の制度

 

日本シリーズの後、球界の話題の中心となるのはFA権取得選手たちの“決断”になるはずだ。ここでは1993年からスタートしたFA制度の歴史について振り返ってみよう。

93年オフ、中日から巨人に移籍した落合博満[右]。公約どおり優勝に導き、長嶋茂雄監督[左]を男にした


長嶋巨人の“欲しがり病”


 FAは選手が自分の意志で移籍を決める権利で日本では1993年オフからスタートした。当時はドラフトでの逆指名者が10年、ほかが9年。現在はNPB内の「国内FA」と海外を含めた「海外FA」の2種類があり、「国内FA」は8シーズン(07年以降入団の大学・社会人は7年)、「海外FA」権を取得するには9シーズンの出場選手登録日数が必要となる。

 似た制度としては、かつて『10年選手制度』があった。10年プレーした選手にボーナスないしは移籍の自由が与えられるもので、58年オフに田宮謙次郎阪神から大毎に、64年オフに金田正一が国鉄から巨人に移るなどの例がある。球団側がボーナスを支払いたくないため、9年目が終わった段階で、トレードに出される選手も多かった。契約金(支度金)も給料も安かった時代、いわば奉公の年季明けのような感覚だったのかもしれない。

 FA宣言第1号は、強打のスイッチヒッター、阪神の松永浩美だ。地元福岡のダイエーに移籍したが・・・

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