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現地リポート

プロ野球12球団合同トライアウト 決意の挑戦者たち

 

オレはまだやれる――。今オフに戦力外となった選手に加え、今季は独立リーグでプレーした選手を含む計43人がNPB復帰を期して11月12日に大阪シティ信用金庫スタジアムで開催された12球団合同トライアウトに挑んだ。さまざまな感情が交錯したトライアウトの模様をリポートする。
取材・文=鶴田成秀 写真=宮原和也


アピールはさまざま


 肌寒い朝7時30分。それも平日にもかかわらず、球場周辺はプロ野球ファンたちの熱気に包まれていた。入場無料とはいえ、開門の午前9時の約1時間前には長蛇の列。「最後になってほしくはないですが、『最後になるかもしれないプレー』を見ようと思って」と語る日本ハムファンの60代女性は、札幌から前夜に大阪入り。今オフに戦力外を通告された右腕・中村勝の投球を一目見ようと、7時に球場に到着し、列の先頭で開門を待ちわびていた。

 集まった観衆は3150人。来季の“働き場”を求める選手たちの一投一打に熱視線を注いでいたが、前出のファンが口にした「最後になるかもしれない」は選手の思いでもある。この日、トライアウトに参加したのは43人。今オフに契約を切られた選手もいれば、昨オフに戦力外を通告され、今季は独立リーグでプレーし、NPB復帰を目指す選手の姿も。年齢もNPBでの実績もさまざまだが、共通しているのは、NPB復帰を目指す“決意”だ。

 10時開始のトライアウトを前に、選手たちも続々と球場入り。キャッチボールやシートノックのウオーミングアップを経て、実戦でのアピールへ。形式は例年同様にカウント1ボール1ストライクから始まる『シート打撃』で1投手が打者3人と対戦。野手はA、Bの2班で、守備と打撃に分かれて進んでいった。

 決意の一球、そして一打――。各球団のスカウトたちが見守る中で、後悔のないように参加選手が思いをぶつけていく。その“形”もさまざまだ。ヤクルトを戦力外となった左腕・村中恭兵は・・・

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