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現地潜入リポート

メキシカン・リーグ野球事情 平均打率3割超、平均防御率5.77の「打高投低」打撃偏重の野球になる理由とは?

 

「WBSCプレミア12」で東京五輪の出場権を獲得し、注目度が増しているメキシコ野球。元スポーツ紙記者が久保康友投手の通訳として夏のメキシカン・リーグにフル帯同。16チームで競うペナントレースについてリポートする。同リーグが打高投低と言われるのはなぜなのか。リーグのレベル、特徴、そして現状についても迫った。
文=福岡吉央

メキシコシティで行われたオールスターゲーム。球場には多くの野球ファンが詰め掛けた。手前はブラボス・デ・レオンの久保康友投手/写真=福岡吉央


今季は久保康友ら日本人3選手がプレー


 メキシコ高原に広がる広大なアステカの大地。アメリカの南に位置するメキシコでは夏シーズン、計16チームが8チームずつ南北のリーグに分かれ、約6カ月にわたり、王者の座をかけて戦いを続ける。開幕は4月上旬。各チーム120試合のレギュラーシーズンを終えると、各リーグ上位4チームが出場できるプレーオフがあり、準決勝、決勝と勝ち上がると、両リーグの王者が対戦するメキシカン・シリーズが待っている。ポストシーズンが終わるのは10月上旬。選手たちはその後、束の間のオフを挟み、10月中旬から始まるウインター・リーグの各チームに散らばっていく。

 打高投低と言われるメキシカン・リーグ。その訳は標高、そして打者の特徴にある。16チーム中、7チームの本拠地が標高1500メートル以上。気圧が低地よりも低く、空気抵抗が少ないため、低地なら外野の定位置に落ちる打球が軽々と本塁打になる。低地では防御率3点台の投手でも、高地が本拠地のチームに移れば、防御率は5点台になると言われているほどだ。

 同リーグでプレーする投手の制球力は日本のプロ野球と比べれば劣る。コントロールのいい選手の多くはメジャーやメジャー傘下のマイナーでプレーしているからだ。一方、打者は強打者が多い。日本のように追い込まれたら当ててくるタイプの打者は少なく、三振覚悟で強振してくる。今季、全16チームの平均防御率は5.77。一方、平均打率は3割3厘で、打率3割以上の打者が76人。本塁打20本以上の選手が37人。ボール球でも振ってくる打者も多く、ストライクゾーンも内角は狭く、外角が広いため、投手にとってはストライクゾーンだけでは勝負しづらいという特徴がある。さらに今季はリーグ公式球がローリングス社製からフランクリン社製に変わって、さらに打球が飛ぶようになり、本塁打の数が例年の約1.5倍に増えたことも、打高投低に拍車をかけた。

 今季は日本人の3選手が同リーグでプレーした。ブラボス・デ・レオンの久保康友投手、スルタネス・デ・モンテレイの荒波翔外野手、ディアブロス・ロホス・デル・メヒコの横山貴明投手だ。開幕投手を務めた久保は・・・

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