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令和新時代の旗手たち

ヤクルト・村上宗隆 幕を開けた豪打伝説 「全試合出られたのは自信になった。でも、自分はまだまだできる」

 

弱冠19歳、左のスラッガーが快進撃を見せ、歴代記録を次々と塗り替えていった。その成功の陰には何があったのか。令和の新時代に台頭した、近い未来の主役候補をクローズアップする。


貴重だったロスでの時間


 プロ2年目の19歳、村上宗隆の存在は2019年のヤクルトにおいて、希望そのものだった。

 チームは5月から6月にかけて悪夢のような16連敗を喫し、浮上できないまま最下位で終了。責任を取って小川淳司監督が辞任した。低迷したチームで村上は全試合に出場し、36本塁打、96打点をマーク。新人王にふさわしい活躍を見せた背番号55は一際明るい光を放った。

 飛躍のきっかけは1月。先輩の青木宣親らと行ったアメリカ・ロサンゼルスでの自主トレーニングだった。日米で活躍する青木と寝食をともにし、プロとしての意識の高さを目の当たりにした。体の鍛え方、使い方、ケアの仕方。1本のヒットに対する執念。打席での考え方。シーズンの戦い方。チーム内での振る舞い方。青木の自宅で毎晩食卓を囲み、質問をぶつけ、リビングでバットを振ってアドバイスを受けた。村上は「青木さんは雲の上にいるような存在。尊敬しているし、本当に感謝している」と・・・

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