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令和新時代の旗手たち

令和新時代の旗手たち 高橋礼、中川皓太、青柳晃洋、神里和毅、種市篤暉、阿部寿樹

 

ソフトバンク・高橋礼 歓喜を運ぶサブマリン


貴重なサブマリンは先発として台頭。2ケタ勝利を挙げた


 エース・千賀滉大と並ぶ先発の軸として輝きを放った。先発としては“1年目”ながら、開幕ローテーションをつかんだ高橋礼は、登板を重ねるごとにステップアップ。12個の勝ち星を積み上げて、高い勝率(.667)を誇ると、「前向きに野球が楽しめた」。自らも自信を手にした。

 自信は投球に表れる。「真っすぐが一番の武器」とアンダースローでは珍しい140キロ超えの速球を強気に投げ込み、持ち味の速いテンポで打者のタイミングを狂わせた。巨人との日本シリーズ第2戦(ヤフオクドーム)では7回二死までノーヒットピッチング。今季を締めくくる登板は、まさに“集大成”だった。

 開幕前、右腕の目標は「先発ローテに入れれば……」と控えめだった。それが開幕から1カ月ほどたつと「2ケタ勝利」に変わる。勢いづかせたのは、開幕からの4戦4勝だ。味方打線の大量援護が、自身の投球に力をくれた。前半戦終了時点で8勝を挙げ、8月13日の楽天戦(楽天生命パーク)で2ケタ勝利をクリア。規定投球回もレギュラーシーズン最終戦(9月28日のオリックス戦、京セラドーム)で達成している。

 適応能力の高さもうかがわせた。優勝争いが佳境となったシーズン最終盤には中4日も経験。大事な試合に投げさせてもらえる喜びを胸に、前回登板5回1/3、5失点からきっちり調整と修正をし、7回を被安打2、無失点の好投を見せた。

 また、シーズン終了後は侍ジャパンにも選出。『WBSC プレミア12』では、先発2試合、中継ぎ1試合に登板し、独特の軌道で外国人強打者たちを翻ろう。世界一に貢献した。

 充実の1年を経て、「プロに入って、たくさんのファンの方が応援してくれる中で投げられることが幸せ」と笑顔を見せる。ファンにさらなる喜びを届けるため、来年こそはリーグV奪回。高橋礼にも先発としての責任がにじむ。少しでも長いイニング、目指すべきは完投だ。新たな目標は球界屈指のサブマリンを、ますます強くする。

巨人・中川皓太 新たなブルペンの柱へ



 山口鉄也(来季より巨人二軍投手コーチ)の再来を思わせる左腕の台頭がなければV奪回は成し得なかったかもしれない。「少しずつ信頼を勝ち得て、と思っていたので、うまくいき過ぎて自分でもびっくり」と言う中川皓太は、加入4年目にしてリリーフ陣の大きな柱に。チーム最多の67試合に登板し、4勝3敗、17ホールド、16セーブ、防御率2.37と安定した成績を残した。開幕第2戦の今季初登板から5月17日の中日戦(ナゴヤドーム)まで16試合、17イニング連続で無失点。一時はクローザーを務めるなど、強心臓も買われた。シーズン終了後には侍ジャパンに初選出されてプレミア12に出場した。来季もブルペンの柱と期待されている。

阪神・青柳晃洋 強弱生む投球で急成長



 昨季は一軍では4試合の登板のみだったが、途中から全力で投げていた投球を見直し、腕はしっかりと振りながらも力加減のパーセンテージを変える練習をすることで、投球に強弱を生むことができるようになった。真っすぐの伸びだけでなく変化球のキレ、コントロールも良くなり、投球全体に安定感が出たことで、今季開幕先発ローテ入りを果たす。昨季までのように5回までが限度という投球ではなく、クオリティー・スタートもしっかりとクリアできるほどに成長。夏場に一時調子を崩したが、後半持ち直し自己最多の9勝を挙げ、先発ローテとして、またチームの中心投手としてAクラス入りに貢献した。

DeNA・神里和毅 華麗なるリードオフマン



 ルーキーイヤーの昨季は死球を受け骨折、シーズン途中で戦線離脱を余儀なくされた。今季はその悔しさをぶつけるように、打ちまくり、6月までは3割をクリア。リードオフマンとして打線の火付け役として機能した。しかし、夏場以降は失速し、スタメンを外れる試合も多く「20盗塁をクリアしたい」と語っていた盗塁も、15(盗塁刺10)と伸び悩んだ。肝心のバットでも規定打席はクリアするも、打率.279と目標だった「3割以上」には届かなった。しかし、“琉球のスピードスター”はこれで終わらなかった。阪神とのCSファーストステージ初戦では「一番・中堅」で1試合4安打と大暴れ。来季の一番定着へのきっかけをつかんだ。

ロッテ・種市篤暉 驚異の奪三振能力



 今季、リリーフでスタートした高卒3年目右腕は4月末に先発再転向を果たすと、プロ初勝利を手にしてからも白星街道を突き進んだ。昨オフ、ソフトバンク・千賀滉大に弟子入りして磨きをかけたフォークはキレ味が増し、ストレートも最速153キロを記録。日本人投手歴代最多に並ぶ23イニング連続奪三振、奪三振率は驚異の10.41をマークするなど奪三振マシーンと化し、涌井秀章石川歩らが先発ローテを守れない中でロッテ先発陣の救世主となってチーム最多タイの8勝を挙げた。井口資仁監督から「将来はエースになる存在」と大きな期待をかけられているが、そのときはすぐに訪れることになるかもしれない。

中日・阿部寿樹 遅咲きの巧打者



 崖っぷちの29歳が、レギュラーをつかんだ。プロ入りは26歳。大卒野手としては異例の、社会人・ホンダで4年を過ごしてからのプロ入りだった。もちろん“即戦力”としての評価だったが、昨季まで通算25安打と結果を残せず。30歳になる今季を前に、バットとフォームを大胆に変更することを決断した。春季キャンプ中のオープン戦、打撃でアピールすると、開幕スタメンに抜てきされる。その後も巧打、堅守で定位置を譲らず。初めて規定打席に乗り、今季だけで130安打を積み上げた。打率もリーグ10位の.291。それでも、「やった実感がない」と手応えは感じていない。「来年も勝負の年になる」と口元を引き締める。

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