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明日へのトビラ〜さらなる飛躍へ〜

DeNA・東克樹インタビュー 再奪取の決意 「自分は今、先発の座を奪い返さなければならない立場に置かれている」

 

170センチの小さな体が大きく躍動したのが昨シーズン。入団1年目で11勝5敗、防御率2.45で堂々のセ・リーグ新人王に選ばれた。しかし、2年目の今シーズンは故障を抱え、4勝2敗、防御率3.76とフラストレーションの溜まる1年となった。復活を期すベイスターズの左腕に、現在地と2020年への抱負を聞いた。
取材・構成=滝川和臣 写真=大賀章好(インタビュー)、BBM


悩まされたヒジの違和感


 ルーキーイヤーで2ケタ勝利を挙げ、新人王に輝いた。前途洋々かと思われた東克樹の前に黒雲が立ち込めたのが2年目のキャンプイン直前だった。左ヒジの違和感で一軍メンバーから外れた。1年目に先発ローテの軸としてフル回転した影響なのか、今季はコンディション万全の状態で一軍のマウンドに立つことは最後までかなわなかった。

──プロ2年目を一言で表現すると、どんなシーズンでしたか。

 苦悩した1年でした。ケガに悩まされ、思うように投げられなかったのが一番ですね。左ヒジの具合が良くなったり、悪くなったりの繰り返しで、自分自身が“ぼやけていた”感じはありました。

──ヒジの違和感でキャンプから出遅れました。1年目の疲労があったのでしょうか。

 (1年目の影響は)自分ではないと思っていたんですけど、体にはあったようで……。シーズンオフにしっかり調整できていなかったというのが反省点です。

──ルーキーイヤーでたくさん投げて、オフの大切さは自身でも強く認識していたはずです。

 周囲の方にも、オフがどれだけ大事かアドバイスをいただいていたにもかかわらず、ケガをしてしまった。認識が甘かったというか、自分が思っている以上にケアに時間をかける必要がありました。

──開幕から1カ月、何とか一軍に合流。5月6日の巨人戦(横浜)で今季初先発するも、黒星(3回8失点)。本来の調子ではなかった?

 自分としては、やっと一軍のマウンドに立てたということで気合は入っていたんですけど、調子は今一つ。悪夢の登板となってしまいました。球速も出ていなかった。何を言っても言い訳にしか聞こえませんが、自分が思い描いたものとは違いましたね。

──しかし、2戦目の先発で今季初勝利を飾ると、5月は3連勝を飾ります。

 何とか勝てたという状態でした。僕の武器であるストレートが思いどおりでなく、感覚も違った。昨年は150キロ近く投げれていたボールが、140キロちょっとしか出ない。ケガをしたこともあって、『思いっ切り腕を振ったら壊れるんじゃないか……』という怖さもあり、どこかでセーブしてしまう気持ちがあった。そうした面もパフォーマンスに表れていたと思います。

──ヒジをケガしたのは初めての経験ですか。

 大学時代(立命大)にもありましたが、大学とプロはまったく別もの。大学は春秋の限られた期間のリーグ戦だけですが、プロのシーズンはとても長い。ですから、過去の故障の経験を生かすというのも難しかったです。3連勝した中日戦(5月30日、ナゴヤドーム)の後、筒香(筒香嘉智)さんにアドバイスをもらったんです。「昨年より・・・

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