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12球団2019年シーズン回顧

ソフトバンク・リーグVは逃しても球団史上初3年連続日本一/12球団2019年シーズン回顧

 

主力選手をケガで欠きながらも、新戦力が台頭。しかし、最終盤に失速して2年連続でリーグ優勝を逃した。再びチャレンジャーとして挑んだ短期決戦では無類の強さを発揮すると、一気に頂点まで駆け上がった。

[2019年成績]※成績部分の数字はリーグ順位
76勝62敗5分 勝率.551
582得点(4)、564失点(1)、打率.251(3)、68失策(2)
183本塁打(1)、113盗塁(3)、防御率3.63(1)

両リーグ覇者をともに4連勝とまったく寄せ付けず、球団史上初の快挙を成し遂げた


“まさか”の連続


 2年連続のリーグV逸、からの3年連続日本一。誤算に泣かされ、誤算に喜び、最後の最後はチーム一丸で栄冠をつかみ取った。

 開幕から5連勝(1分けを挟む)と幸先の良いスタートを切ったが、直後に柳田悠岐が故障。開幕前からバンデンハーク中村晃らの出遅れがあった中で、攻撃の柱も早々に不在に。しかも、復帰まで約4カ月を要し、2019年シーズンは出場38試合にとどまった。また、柳田の離脱後も、投手陣では東浜巨森唯斗、野手陣では今宮健太上林誠知といった主力選手にケガが相次ぎ、チーム状況は苦しくなるばかり……。

 しかし、この“超危機的状況”を救ったのが新戦力だ。先発ではローテ入りした2年目の高橋礼が開幕から勝ち星を積み重ね、ルーキー・甲斐野央高橋純平松田遼馬と中継ぎの陣容は18年とはガラリと変わった。高橋礼は12勝を挙げ新人王を獲得、甲斐野は1年目からチーム最多の65試合に登板している。

 また、釜元豪三森大貴が起用に応えて出場機会を増やすと、開幕前に支配下となった周東佑京は足を武器に躍動。故障者復帰後も代走要員としてチームに欠かせない存在となり、チーム最多の25盗塁を記録するなど機動力アップに貢献した。

 選手層の厚さを生かして首位を快走。シーズン終盤には徐々にケガ人も戻ってきてようやく布陣が整ったが、優勝が見えてきたところで投打がかみ合わず。自らの失速により西武の猛追を振り切れなかったことは悔やんでも悔やみ切れない。

 しかし、ここでギアをチェンジできるのは、短期決戦の経験豊富さゆえだろう。クライマックスシリーズ(CS)・ファーストステージの楽天戦こそ接戦の緊迫した勝負となったが(2勝1敗)、以降は試合巧者ぶりを存分に発揮していく。

狙うは“完全優勝”


 CSファイナルステージでは全試合で先制点を奪って戦いを優位に進めると、勝負どころでは“短期決戦の鬼”工藤公康監督の積極的采配がズバリとハマる。毎試合2ケタ安打、計55安打、32得点と相手の強力打線を上回る超攻撃型スタイルで、4連勝で西武を撃破した。

 勢いは止まらず、日本シリーズでもセ・リーグ王者の巨人を投打で圧倒。最終的には、CSファーストステージ第2戦から一度も負けることなく、10連勝で日本一に輝いた。3年連続は球団史上初の快挙だ。

 しかし、どんなに短期決戦で強さを見せつけても、日本一を手にしても、チームから悔しい声が聞かれるのは、やはりリーグ優勝を逃しているからにほかならない。リーグトップの183本塁打を放ちながら、得点は同4位の582で、西武とは174点差と大きく水をあけられた。

 また、19年は対戦成績8勝17敗とリーグ4位のロッテに大きく負け越している。特にシーズン終盤、西武との直接対決以上にロッテとの対戦が多く残っていたことが、優勝の行方を左右することに。苦手意識はないというが、20年も対ロッテ戦はカギとなってくるだろう。

 日本シリーズ終了後、球団は工藤公康監督との契約を延長した。真の常勝軍団へ、20年からさらに2年間、指揮を執る。まずはリーグV奪回を果たし、4年連続日本一。チームは“完全優勝”しか見ていない。

躍り出た次世代ホープ 甲斐野央投手 世界とも対峙した鉄腕ルーキー



 スタートからインパクト大だった。開幕戦(3月29日、ヤフオクドーム)で強力西武打線を相手に5三振を奪っての初登板初勝利。そこから無失点を13試合続け、新人投手によるデビュー戦から連続試合無失点の日本記録を樹立すると、守護神・森唯斗が離脱した際には抑えを務めた。一度も離脱することなくチーム最多の65試合に登板した右腕は、ポストシーズン、ルーキー唯一の侍ジャパンとして出場したプレミア12でも堂々たる投球で強打者たちを手玉に。1年目から日本一とともに世界一も手にした豪腕が、これからも大記録を打ち立てていく。

担当が選ぶ 2019ベストゲーム 令和初!育成出身初!球史に残るノーヒットノーラン


9.6 ヤフオクドーム


 圧巻の133球だった。自身3連敗中だった先発・千賀滉大は勝利への執念をボールに込め、4回までパーフェクトピッチング。5回先頭に死球、6回二死から四球を許したものの、無安打のまま9回を迎えた。異様な雰囲気の中、連続四球、一ゴロで一死一、三塁のピンチを招いたが、中村奨吾を二飛、井上晴哉からは代名詞のフォークで空振り三振を奪うと球場が大歓声に包まれる。球団では前身・南海時代の別所昭氏以来となる76年ぶり、史上2人目のノーヒットノーランは、令和初、育成出身選手初。また、毎回奪三振での偉業達成も史上初めてのことだった。

2019基本布陣


※△は左打ち

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