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新指揮官インタビュー

楽天・三木肇監督インタビュー 思考する野球を貪欲に 「漠然とプレーをするのではなく、一つひとつに理由や裏付けがあることができるかどうか」

 

2019年オフ、内部昇格という形で新監督に指名された。「一緒にこのチームを強くしよう」。この言葉が石井一久GMからの就任要請となった。ヤクルト時代に名将・野村克也氏から薫陶を受けた42歳の新指揮官は「考える野球」をベースに、チームとして7年ぶりのリーグ優勝、日本一を目指す。
取材・構成=阿部ちはる 写真=井沢雄一郎、BBM


秋の成果を春に見る


 昨季楽天の二軍監督に就任した三木肇氏は、わずか1年で球団初のイースタン・リーグ制覇へと導き、今季から一軍監督に昇格した。就任会見では「予測と準備をして、瞬時にプレーの選択、判断ができる状況判断力を養い、いろいろな戦い方ができる強いチームに成長させたい」と語り、選手には考える野球を求めた。

――石井一久GMが選手に対し「もっと野球の勉強をして野球観を高めてほしい」と話されていました。三木監督も野球観という言葉はよく使われていますが、野球観を高めるために何が必要だとお考えですか。

三木 野球って面白いし楽しいし難しい。本当に奥が深いスポーツなので、漠然とプレーをするのではなく一つひとつに理由や裏付けがあることができるかどうかが、選手たちに求められるのかなと思っています。それをするためには、やはりプロとしてたくさんの技術や知識、そして勝負勘ということが求められると思いますから、一緒に正しい方法を見つける、一緒に頑張ってやっていくことがGMからも求められていることなのかなと感じています。

――昨年は二軍の監督として、楽天に来られました。そこで初めて楽天というチームを内側から見て、まず何を感じたのでしょうか。

三木 まじめで素直な選手が多いなと。野球に対して真っすぐ見過ぎていて、素直に野球をし過ぎている印象を最初に受けました。野球にはまじめさや素直さも大事ですが、相手と戦っているときには相手に考えさせたり、相手が嫌がること、僕がよく使う言葉で言えば“ずるがしこさ”が必要になってくる。例えば「この状況でこういうことをすると、相手がさらに考えて自分が優位に立てる」とかね。一生懸命練習する中にメリハリだったり、押し引きみたいなことがあってもいい。野球の試合になるとそういうことばかりだから。

――二軍でやっていた若手も多く参加した秋季キャンプでは一軍監督として接することになりました。そこで取り組んだこととは?

三木 まずは体が資本だから、しっかり寝てしっかり食べてしっかり練習して、強い体をつくることが一番目指すところであり、大事なところかなと思っていました。体を大きくするというよりも、強い体をつくっていくことですね。シーズンは長いですから疲れが出ることもあるだろうし、体力があるほうが集中力も途切れない。プレーに関しては・・・

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