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MLBへ翔ける!独白60分

レッズ・秋山翔吾インタビュー 秋山維新「メジャーで秋山翔吾という新しい“箱”を作る」

 

今年1月、西武から海外FAでレッズに移籍した秋山翔吾。日本屈指のヒットメーカーがメジャー・リーグに挑むが、野球界最高峰の舞台で成功への道筋は見えているのか。渡米前、秋山の思考に迫った。
取材・構成=小林光男 写真=桜井ひとし


この1年で結果が出なければほぼ終わり


 いつも以上に饒舌(じょうぜつ)に言葉を紡ぎ出したが、そこに気負いはまったく感じられなかった。それは現状でやるべきことがはっきりと秋山の頭の中で整理されているからだろう。レッズの外野手は昨季27本塁打のカステヤノス、有望株のセンゼル、アキーノら多士済々で中堅手の座は保証されていない。それも覚悟の上だ。3年総額2100万ドル(約23億円)の大型契約を結んだが自らを見失うことなく、地に足を着けている。

 メジャー・リーグでプレーするにあたって、いまは不安要素のほうが大きいですよ。まずは言葉。例えばホテルで何かを頼むとき。それが本当に伝わる言葉か分からない。質問に対して答えることはいいんですけど、自分から発信することに関してですね。僕の英語力じゃ、まだ細かいニュアンスは伝えられないし、使ってはいけないフレーズ、仕草もあるでしょう。チーム内でのコミュニケーションでも、例えばトレーナーに自分の状態を伝えるとき、痛みを過剰に伝え過ぎて、自分としては踏ん張れるけど、チームとして休ませる方向になってしまうかもしれない。

 今まではできる限りのことは自分でやっていましたが、人を介してやることが増える。それによって予測のつかないことが起こる可能性があるでしょう。英語は嫌いじゃなかったですけど、そんなにできるわけではない。特別に勉強はしていませんでした。メジャーに行くと決めているのであれば、もっと準備しておくべきだったと思いますけど、でも、シーズン中はプレーに集中していましたからね。

 野球をやることに関してはメジャーだろうが、日本だろうが、打てるか、打てないか、守れるか、守れないかだけですから。自分が体を動かすことに関してはなんの不安もない。いまの段階ではしっかりと準備することはできますから。

 勝算は……それが分からないからメジャーへ行くんでしょう。結局、自分が野球人として、どういう位置にいるのか。日本だったら、だいたいこのあたりというのは分かる。それがより生存競争が激しく、タフな環境でプレーしたらどうなるか。日本と同じ数字を残すのも大変で、より高い数字を目指したら、たぶん半端じゃない精神力、技術が必要というのは当然分かっていますよ。

 僕の考えでは日本では・・・

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