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“令和”新時代を切り拓く男たち RISING SUN INTERVIEW

ロッテ・種市篤暉インタビュー “柱”になるために 「真っすぐで押していける、真っすぐで抑えられるピッチャーになりたい」

 

一躍、先発ローテーションの軸として期待される存在に浮上した。昨季のブレークを経て、自覚も高まるばかりだが、それゆえの悩みが尽きないのも事実。自らの理想像にたどり着くために、オフからキャンプを経ても「時間が足りない」と嘆く21歳右腕の現在地とは。
取材・構成=杉浦多夢 写真=高塩隆


理想に近づくための無数のチェック項目


 飛躍の2019年だった。中継ぎとしてのスタートだったが、すぐに先発のチャンスをつかみプロ初勝利を挙げると、そのまま先発ローテに定着してチーム最多タイの8勝をマーク。116回2/3を投げて135三振を奪い、奪三振率は10.41を記録した。だが、高卒4年目を迎える21歳右腕には微塵の満足感も見られないどころか、焦燥感さえ漂わせている。さらなるレベルアップのために必要な正しいフォームを手に入れるために、オフからキャンプを経てもなお、研究に余念がない。

──オフから春季キャンプと投球フォームのチェックに多くの時間を割いています。

種市 今のままのフォームで投げ続けたら、いつか絶対にケガをすると思うので、フォームを変えていかなければならないと思っています。昨季は中継ぎも先発も経験させてもらって、先発で初勝利も挙げて、そこから先発ローテーションを守って8勝することができました。いい経験ができたのですが、あらためて自分の良くない部分も分かったので、それをオフシーズンからキャンプと克服できるように取り組んできました。

──今オフも「コウノエ・スポーツアカデミー」の合宿トレーニングからスタートしました。昨年は左肩の開きが課題と言っていましたが。

種市 今もまだできていないですね。いらない力が入っていますし、力が入るとテークバックも大きくなってしまいます。

──キャッチボールでは相手に右手が見えているかどうかをしきりに確認していました。

種市 左手から肩のラインに乗っていれば右手が見えていてもいいんです。でも右手がそのラインから外に出てしまうことが多い。そうするとケガのリスクが高まります。メカニックの部分を言葉で説明するのは難しいのですが、考えることは20、30個くらいありますね。チェック項目は多いんですけど、一気にやろうとすると考え過ぎてぐちゃぐちゃになってしまったりするので、1日に2個か3個、今日はこの動きをしっかりできるようにしよう、という感じで取り組んでいます。

──開幕からの逆算でチェック項目をつぶしているのでしょうか。

種市 逆算というか時間が足りないですね。オフから全部直すつもりでやってきましたし、キャンプでも毎日、ブルペンに入って、個別練習に入って、シャドーをして、動画を撮ってチェックするということを繰り返してきました。やらないと不安でしたから。それでも開幕までに間に合わないんじゃないかという焦りがあります。

──昨年からフォームの見直しは考えていたのですか。

種市 2018年のオフに「コウノエ・スポーツアカデミー」の合宿トレーニングに行ってから、ずっと考えていました。でも・・・

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