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“令和”新時代を切り拓く男たち RISING SUN INTERVIEW

ヤクルト大卒ルーキー右腕座談会 ツバメの三銃士 吉田大喜&杉山晃基&大西広樹

 

昨秋のドラフトでは、3人の大卒右腕が指名を受けた。“即戦力”として期待される3人は、春季キャンプも一軍スタート。プロの世界に飛び込んできたルーキーたちの座談会は今後の意気込みもそこそこに、大爆笑トークへと発展。ツバメの新鋭の素顔も、次第に暴かれていく。
取材・構成=依田真衣子、写真=大泉謙也

画像左から杉山、吉田、大西


ルーキー3人の初々しい素顔


 ドラフト2位の吉田大喜は日体大、同3位の杉山晃基は創価大、4位の大西広樹は大商大と、名門校でもまれてきた。吉田は大学日本代表、杉山と大西は全日本大学選手権や明治神宮大会など、トップクラスで戦い抜いてきた経験がある。

 それでも、“プロ野球選手”となってまだ2カ月。すべてが初めての経験の中で、同級生で同期の存在は、心の支えにもなっている。初めてだという座談会インタビューはぎこちなく始まるも、大西がリードする形で進行していった。

──春季キャンプは一軍スタートとなりました。プロとして迎える初めてのキャンプですが、手応えは感じていますか。

大西 ではまず、ドラフト2位の(吉田)大喜から!

吉田 えっ、何やったっけ……。

大西 キャンプの手応え。

吉田 手応え……。ブルペンに入ってキャッチャーの方と話したりとか、この球がいいとか言ってもらったりしたことですね。ちょっと自信が付いたかなと思います。

ファンにサインをする吉田。プロとしての自覚が芽生えている


大西 じゃあ次、スギちゃん! あ、杉山はスギちゃんっていいます。

杉山 ハイ。僕は……今のところケガなくやってこられているので、状態は良いかなと思います。実戦的な練習も難なくできています。ここまでは順調だと思います。

大西&吉田 スギちゃんガッチガチやな(笑)。

大西 僕はケガなくできているんで……。

吉田 一緒やん!

大西 いい緊張感を持ってできているかなと思います。

吉田&杉山 ……。

大西 俺が一番インタビュー受けるのうまい! 取材は最初にホームラン打たなアカンって言われたやろ! ちんたらちんたらしゃべっててもアカンって! 覚えとけ!

吉田&杉山 ……。

──では逆に、キャンプで見つかった課題などはありますか。

大西 若干ですが、疲れを感じていますね。そこをどう回復させるかが課題です。疲れが溜まってきてしまうと、体にもボールにもキレがなくなってしまうので。

吉田 僕も疲労が課題です。なかなか疲れが取れず、投球フォームにバラつきが出てきてしまっていると自分でも感じているので、そこが改善点ですね。

杉山 僕は変化球が抜けてしまいがちなので、抜けないようにやっていきたいと思います。

大西&吉田 決意表明かよ(笑)。

大西 でもスギちゃん、最近キャッチボールで力を抜いてるやろ。

杉山 抜いてる……。

吉田 やっぱり、ちょっと疲れてきてるもんな。

よしだ・だいき●1997年7月27日生まれ。大阪府出身。175cm83kg。右投右打。投手。大冠高-日体大-ヤクルト20=1年目


──同級生で同期入団の右投手。仲のよさそうな3人ですが、ほかに共通点はあるのでしょうか。

吉田 なくない?

杉山 大卒!

大西 今言ったし、それでインタビュー受けてるんやろ!?

吉田&杉山 (笑)。

大西 でも俺、2人の共通点なら分かるで。マイペース。

杉山 俺は違う。

大西 いやいやいや!

吉田 スギちゃんには言われたくない!

杉山 でも大喜もマイペース!

吉田 違う違う!

杉山 大喜は遅いほうのマイペースなんだって。俺せっかちだもん。

吉田 それはまあ、確かに。俺は朝一緒に練習行こうと思って朝飯の時間を合わせてるのに、俺がテーブルに着いたころ、スギちゃんはもう食べ終わっていて、勝手に先に行く。

大西 嫌われてるんじゃない?

吉田 そうなのかな……。

杉山 大喜は遅いんだよ(笑)。

すぎやま・こうき●1997年6月25日生まれ。東京都出身。182cm84kg。右投左打。投手。盛岡大付高-創価大-ヤクルト20=1年目


──初めて会ったときの第一印象は覚えていますか。

大西 大喜は、一言もしゃべらへん。

吉田 それ代表のときやろ?

大西 そう。

──大学4年生だった昨年の夏、2人は大学日本代表選考合宿に参加されました。そのときでしょうか。

吉田 そうです。あのときは、周りに人がたくさんおったので……。

大西 ハイハイ。

吉田 人見知りなんですよね。

大西 スギちゃんは合宿に参加していないので……。

杉山 なので、初めて2人に会ったのは、ドラフト後のメディカルチェックと、松山で行われたチームの秋季キャンプを見学したときです。

吉田 松山のときもあまりしゃべらなかったよね?

杉山 そうだね。

大西 スギちゃんは……肩幅が広くてガンダムみたいだなって思った(笑)。あと、人見知りだよね。

杉山 うん。

大西 俺も人見知りだもん。

吉田&杉山 それはない!

大西 2人が人見知り過ぎるから、俺が一歩前に出てリードしてあげてるんですぅ。

おおにし・ひろき●1997年11月8日生まれ。奈良県出身。175cm84kg。右投右打。投手。大商大高-大商大-ヤクルト20=1年目


居場所をつかみ結果を残す


 仲の良い3人だが、グラウンドではライバルとなる。自分にはない良さや実力を認め合っていながらも、自身のピッチングにもプライドを持っている。誰よりも結果を残したいという闘争心、そして固い決意を、胸の内に秘めている。

──野球の話に戻りましょう。3人は即戦力として期待されています。オープン戦が始まってきましたが、マウンドでアピールしていきたい部分はありますか。

大西 僕はアマチュア時代からチームを勝たせられるピッチングを心がけてきているので、その心得は持っているつもりです。なので、それを忘れずにゲームに臨みたいですね。

杉山 僕は投げっぷりがいいと評価していただいているので、打者に向かってしっかり腕を振る気持ちを忘れずに。持ち味を生かせるように投げたいと思います。

吉田 僕は、ストレートのキレをアピールしていきたいです。

吉田大喜[投手/1年目ドラフト2位]


── 実戦で特に見てもらいたいことや、試してみたいことは。

吉田 えーっと……。

大西 もう勘弁してやってください! 大喜はしゃべるの苦手なんです!

吉田 苦手です……。

大西 僕が締めますから。よーし、頑張るぞ、3人で!

──大西選手、ありがとうございます。さて、オープン戦を経て、いよいよシーズンが開幕します。この中で最初に一軍デビューを果たすのは誰だと思いますか。

杉山 シビアな質問だ(笑)。

大西 ……全員、自分自身やと思ってるんじゃないですか。

吉田 うん、そうですね。

──ということは、チームメートでありながらライバルでもあります。切磋琢磨する毎日だと思いますが、ほかの2人をどう見ていますか。

大西 そりゃあ球が速いですよ、2人とも。

吉田 球が速いのはスギちゃんです。

杉山 (2人は)コントロールが良いなと思います。

大西&吉田 (笑)。

大西 スギちゃんはガンダムみたいなガタイなんですけど……。

吉田 そればっか(笑)。

大西 僕の持っていたイメージですけど、体が大きい人は不器用だと思っていて。でもスギちゃんは筋肉もすごいし、体が大きいのにピッチングが器用だなと感じます。

杉山 えっと、うれしいです。

大西 ダメだこりゃ(笑)。大喜のことは、同じ大阪だったので高校時代から知っていました。大喜が大冠高で、僕が大商大高。大冠にはすごい投手がいるなと思っていたけど、日体大に行って大学代表の選考合宿で会ったとき、もっとすごい投手になったなと感じましたね。

吉田 何やそれ、結局どこがすごいんや(笑)。

大西 大喜は真っすぐだと思う。変化球より、真っすぐが一番力のあるボールなんじゃないかなと感じる。

吉田 ストレートかあ。

大西 で、俺のことは?

吉田 大西君は、ボールに威力がありますね。あと、カットボール気味に動く真っすぐも武器になるんじゃないかな。打者からしたら、あのボールは打ちにくいと思います。

大西 ありがとう!

大西広樹[投手/1年目ドラフト4位]


吉田 スギちゃんは……馬力っす! 1球に込めたときの“強さ”は一番だと思います。

大西 力がある。

吉田 そうそう。パワーピッチャー。

──うれしそうに笑っている杉山選手、いかがですか。

杉山 大西は、大喜も言ったように直球が少し曲がるんですけど、どの変化球も高いレベルで投げられるので、すごい投手だなと思います。

大西 ありがとう!

吉田 大西はさっきから何なの(笑)。

杉山 大喜はスピードもそうですけど、ボールにキレがあります。

吉田 ありがとう!

大西 おい(笑)。あと、言われたからじゃないけど、スギちゃんは“ハマったとき”がバケモノだなって思う。

吉田 あ、それ分かる。

大西 でもそのハマったときは少ないっていうか……。

杉山 ディスってるじゃん!

大西 いや、褒めてる。

吉田 ツボにハマったときのボールはヤバいなって見てて思うもん。

大西 フォームとか、きっといろいろな要因があって、ハマる、ハマらないボールがあるんだと思う。

──そのハマった感覚のボールが今後増えていけば……。

吉田 ヤバいっす。

大西 まあ、ツボにハマったボールとそうでないボールに、そんなに大きな差はないんですけどね。

杉山 えーっと、頑張ります。

大西&吉田 (笑)。

杉山晃基[投手/1年目ドラフト3位]


──では最後に、今季の目標を教えてください。

大西 防御率2.00以内でシーズンを終えることです。1点台か、もしくはそれ以下に。現状、自分が先発なのか中継ぎなのかは分からないので、登板数などの具体的な数字は挙げにくいですが。とにかく、点を取られないことが第一です。

吉田 そうですね、役割については未知な部分がある。

大西 自分が先発、中継ぎ、抑えとどのタイプに向いているのかは、プロになったばかりの自分たちには分からない。これから実戦で見極めてもらって、居場所をつかんでいかなくてはならないです。

杉山 まずはそうですね。なので、僕はその上で、1年間一軍にいられたらいいなと思います。

吉田 僕は、尊敬している日体大の先輩、西武の松本(松本航)さんが去年7勝したので、それ以上……。

大西 8勝?

吉田 いや、2ケタ勝てたらなと。

大西 おお! 言うねえ!

── 一軍での活躍を見据えているということは、新人王獲得も視野にあるのではないでしょうか。

大西 僕、ずっと気になってたんですけど、新人王って何ですか。

吉田 知らん。

大西 でも、タイトルやろ? 獲れるもんなら獲りたいよな?

杉山 新人王、獲りたいです。

大西&吉田 言うんかい(笑)。

石井弘寿コーチに助言を受ける大西と杉山


2020年の“一文字“


大西 昔から「一球入魂」という言葉が好きなので。魂を込めて投げるということで「魂」にしました。

杉山 「新」しい、って変かな? 新しい世界に入ったということで。

吉田&大西 変とかないやろ。

杉山 「攻」めるっていうのにしようかなとも思ったけど……。

大西 ピッチャーで攻めるって何を? 内角とか?

吉田 いや攻めてんねん、スギちゃんは! 俺は「気」でいくわ。気持ちの「気」です。

大西 意味合いはほぼ俺のパクリやん! 字が違うだけ。

吉田 じゃあ「勝」にしよう。2ケタ勝利すると言ったので、その決意を込めます。

大西 え、スギちゃん「気」にするの?

杉山 気持ちで投げます。

大西 一緒やん(笑)。

杉山『気』、吉田『勝』、大西『魂』

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