2018年は高卒2年目でファームの優勝が懸かった試合、そしてファーム日本選手権で先発を任された。さらに昨季は開幕先発6番目に抜てき。将来の阪神投手陣を背負って立つ存在と言える。昨季は一軍のカベにはね返されたが、オフにソフトバンクのエース・千賀滉大の門をたたいた。野球への取り組み方を学び飛躍を求めている。 取材・構成=椎屋博幸 写真=早浪章弘、山口高明、小山真司(インタビュー) まだ一軍レベルではなかった
2019年の開幕先発ローテの6番手として4月4日の巨人戦(東京ドーム)に先発。これが一軍デビューだった。だが内容は初回に岡本和真に2ランを打たれるなど4回6失点とホロ苦デビュー(1対10)。それ以降は中継ぎとして一軍で戦った。屈辱の1年を過ごし、変革を求めオフに新たな挑戦をした。 ――対外試合最初の登板となった2月11日は死球が2つありながらも、3イニングを無安打に抑えました。
浜地 結果オーライ的な部分がありました。オープン戦はもちろん結果がほしいですが、内容のない結果だと意味がないです。内容がないとシーズンに入ったときに厳しい状況になると思っています。もちろん両立がベストですが、登板のときに結果を残しながら「ここが成長できた」ということがあるのが一番いいと思います。
――試合では対戦相手があることですからね。
浜地 そこは、自分でやりたいことをやりながら、結果を残すことが理想です。しかし、そんなに簡単なことではないですから。オープン戦の中で決めていることは「決め球」を作ることです。昨シーズン初めて一軍で投げ、僕の中に「決め球」がないことが分かったんです。今は2ストライクを奪った後、1球でアウトにできるボールを磨いている感じです。
――現状で、浜地投手が考えている決め球とは何でしょうか。
浜地 今は落ちる球(フォーク)の練習をしています。現段階ではいい落ち方をするときもあれば、そうでないときもあるので、このボールがまとまると面白いかな、と感じています。
――昨季の開幕6戦目で先発を任せられました。
浜地 昨年は、開幕先発ローテの中に入れてもらった、という思いのほうが大きかったです。自分でつかみ取ったという感じはなかったんです。
―― 一軍デビューで4回を9安打6失点で降板と悔しい結果でした。
浜地 いざ投げてみると、今自分は、すごくレベルが高いところで投げているな、という感覚がマウンドでありました。これはすごい、自分はまだまだこのレベルじゃないと。だからあまり悔しさはなかったですね。それ以上に自分にはまだまだやらなければいけないことがたくさんあるな、と実感しました。
――そのときの自分のレベルを知れた。
浜地 もちろん、悔しさもありましたが、それ以上に、実力の足りなさを感じてしまったんです。決め球もそうですし、一軍の球場の雰囲気にのまれて、場慣れができていなかったと思います。そしてそういう大きな舞台で自分の力を100%出すことの難しさを知りました。
――その後は中継ぎとして一軍に帰ってきました。そのとき場慣れは、しましたか。
浜地 正直、シーズン最後まで場慣れはできなかったと思います。ただ初先発のときのような感覚はなくなり、いい緊張感でマウンドには上がっていました。
―― 一方で、先発に戻れない歯がゆさはなかったですか。
浜地 それはなかったです。それよりも理想としていた自分の姿で投げられていなかったですね。現実と理想がかけ離れ過ぎる中での投球だったと思います。その歯がゆさをすごく感じながら投げていました。
――それが千賀(千賀滉大)投手との自主トレにつながっていった。
浜地 そうですね。このままではダメだという強い気持ちがあったので。運よく連絡を取ることができましたので、お願いしました。
――そのときに感じた千賀投手とのレベルの差というのはありますか。
浜地 あれだけすごい投手が、これだけすごく野球のことを考えながら、あれだけの練習をするのだから、結果を残すだろうな、と思いました。それ以上に・・・
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