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成り上がれ 育成からの挑戦

オリックス・漆原大晟インタビュー “千の準備”で一の勝負へ 「早く一軍のマウンドに上がりたい」

 

2019年入団でチーム唯一の育成選手とあって、支配下登録へ焦りがなかったと言えばウソになる。それでも入団時に選んだ決意の言葉は「準備」だった。最速152キロとフォークを武器に昨季ファームで27セーブを挙げてタイトルを獲得、今春キャンプ中に2ケタ番号へ。“一軍”を見据え、いくつもの準備をしてきた23歳が先発起用も視野に入れながら“支配下1年目”に挑む。
取材・構成=鶴田成秀、写真=佐藤真一


真っすぐを生かすため


 あくまで通過点──。育成時代に支配下登録をそう位置づけていたのは、“アピール”を意識し過ぎた過去があったからにほかならない。だからこそ自然体を期す右腕は、最速152キロを計測する“武器”を生かし、一軍で飛躍するための意識は明確だ。

──キャンプイン時点は育成選手でしたが、「支配下登録は通過点にしたい」と言っていましたね。

漆原 支配下を目指すというより、今年のキャンプは一軍スタートだったので「自分が経験したことを見てもらおう」と思っていたんです。だから“発表会”のような感じでキャンプに挑みました。

──キャンプは練習であり、目に見える“結果”が出るわけではありません。

漆原 だからこそ、なんです。昨年から取り組んできたことを、ブルペンやバッティングピッチャーのときなどで、どんどん出していく。とにかく出し惜しみをしないように、と思っていました。対戦相手との結果が出ないからこそ、とにかく“自分”を見てもらおうと思っていたんです。

──そして2月20日に支配下を勝ち取りましたが、自分自身では何を評価されたと思いますか。

漆原 自信があるのはストレート。そこを評価していただいたと思っています。その真っすぐで上のレベル(一軍)の選手と、どう勝負してくかが今後のポイントになる。球速が出るストレートではなくても、スピンの効いた真っすぐを投げていきたい。その武器を生かすためにも、変化球を生かしたいんですよね。

──昨季、ファームで抑えを務める中で「フォークの握りを変えた」と言っていました。それも真っすぐを生かすための試行錯誤だったのでしょうか。

漆原 いや、そもそも・・・

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