ジャイアンツにとって、セカンドの固定は長年の悲願だが、その期待を一身に背負うのが4年目の吉川尚輝だ。ポテンシャルは中京学院大の先輩に当たる広島・菊池涼介以上と言われ、現侍ジャパンコーチで、吉川尚入団時には巨人コーチだった井端弘和氏も惚れ込むほど。そんな吉川尚を導いたのが大学時代の恩師・近藤正監督。着実に成長を遂げた4年間を回顧する。 取材・構成=坂本匠 写真=榎本郁也、BBM 吉川尚輝は120人前後いる部員たちの中で、生活面でも優等生だったものですから、そういう意味ではグラウンド外ではプレー中とは正反対のおとなしい存在でした。ユニフォームを脱いで私服でいると、おおよそ野球部員に見えない。それこそ一般学生といった感じです。プロに進んでしばらくたちますが、今も変わらないということを聞くので、それはそれで吉川らしくていいのかな、と思いますけど。ただ、ひとたびユニフォームを着てグラウンドに出てくると、まるで別人。身体能力が高くて動きもいいんですが、やっぱりオーラがあるというのか、目が離せないんですよね。
彼を初めて見たのが中京高(現中京学院大中京高※系列校)の1年生のとき。私の母校でもありますし、ウチは大学の専用グラウンドを持っていないものですから、高校のほうに行って施設を借りることも多い。夏前だったと記憶していますが、高校の練習をのぞいてみたら、ビックリ。1人だけ動きの違う子がいて、それが吉川でした。当時は試しに内野のいろいろなポジションを守らされていたと思うんですが・・・
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