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2020社会人野球監督クローズアップインタビュー

濱岡武明(JR東日本監督) 元副駅長のキャッチボール 「12.3」を見据える常勝軍団の継承者

 

社会人野球の“華”は、都市対抗である。昨年11月末まで15年指揮した堀井哲也氏(現慶大監督)は、19年までの10年連続を含む14回の出場へ導き、優勝1度、準優勝3度。強豪チームを指揮する新監督も100年の歴史を守っていく「覚悟」だ。
取材・構成=岡本朋祐、写真=BBM

15年率いた堀井哲也前監督[現慶大監督]の後任として、昨年12月1日に就任。ヘッドコーチを退任して以来、7年ぶりの現場復帰である/写真提供=JR東日本野球部


「辛抱してやれば、運と縁をつかめる」


 1995年4月に入社以降、現役で8年、ヘッドコーチとして9年。13年から昨年までの7年間は、現場から離れた。社業(17年12月から新橋駅副駅長)に専念する中で、一歩引いた視点から野球部を見守ってきた。同社にとって「夏の風物詩」として定着している都市対抗(20年は東京五輪により11月22日開幕の変則日程)にも毎年、足を運んできた。

「毎年夏、職場の上司や部下を引き連れて、東京ドームへ応援に行っていました。最初はあまり乗り気ではなかった社員も、実際にスタンドで盛り上がると『来て良かった!』と。社員は、お酒を飲みながら観戦するのが楽しみなようですが、私にはどうしても馴染めなくて……(苦笑)。今回の監督就任は、私としても青天の霹靂(へきれき)だったんですが、新橋駅の同僚たちも喜んでくれました。新型コロナウイルスが収まって、社員とその家族に力を与えるために、私たちは存在します。野球が会社の一体感、士気を高める。野球部を持つ意味は、そこにあります。2万人を動員できるレクリエーションは、都市対抗しかありません。会社を一つにするため、粛々と練習を重ねています」

 1920年、東京鉄道局として創部し今年、100周年を迎えた。野球部は常に会社へ元気を与える存在。15年率いた堀井哲也前監督(現慶大監督)から昨年12月1日、バトンを継いだのは濱岡武明監督である。

仲間に支えられた大学4年間


 広島県出身。広島工高では2年春(1989年)のセンバツ出場。2年生で唯一ベンチ入りし、8強へ進出している(試合出場なし)。指導を受けたのは、同校OBの小川成海監督だった。のちに高陽東高、瀬戸内高を通じて8回の甲子園出場で通算12勝を挙げた。

「技術指導よりも、礼節を教わりました。グラウンドでは結果がすべてだ、と。今、こういった立場になって身に染みて分かります。職場の人からは『濱ちゃんの好きなようにやればいいよ』なんて言われましたが『好きにやる』とは好き勝手ではなく・・・

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