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2020高校野球クローズアップインタビュー

芝草宇宙(帝京長岡高監督)インタビュー 新潟で刻む新たな歴史 旋風誓う元プロ指揮官 「高校野球は2年4カ月。愛情を持って指導していく」

 

台湾を含めプロとして20年プレーし、引退後はコーチ、スカウトとしても実績を残した。18年からはアマ球界へとステージを移し今年4月、高校野球の監督に就任。目標は一つ、春夏を通じて初の甲子園出場である。
取材・構成=岡本朋祐 写真=田中慎一郎

帝京長岡高は18年秋、26年ぶりに北信越大会へ出場したものの、昨年は夏、秋とも初戦敗退を喫した。新監督の手腕が期待されている


 うがい、手洗いを徹底した感染防止対策を講じてメニューを消化してきた。だが、4月15日から学校が休校となり、全体練習は難しくなった。新型コロナウイルスの感染拡大は、高校野球の現場にも大きな影を落としている。4月26日から予定されていた春の県大会も同4日に中止が決定された。夏一本となったが、この時間を有効活用しているという。試合経験を積めない分は、体力づくり。帝京長岡高の下宿先では、20人以上の野球部員が生活している。同1日に正式に就任した芝草宇宙監督は毎日、足を運び、食事などの生活管理にも気を使っている。

「体が資本です。食が細い選手も多く、食事が終わるまで、付き合っています。食べて、体を大きくしないとスタミナがつきませんし、健康を維持することもできない。部員と話す時間をいかに持つか。学校生活を基本とし、野球を通じた高校3年間は、良い大人になるための養成所であると思います。あいさつ、礼儀、整理整頓。基本的なことができない生徒は、グラウンドにもそのスキが随所に出ます。毎日、そのあたりと向き合う日々です」

 3月中旬、新潟へ引っ越してきた。野球部の練習拠点である同校の第二グラウンド近くに居を構える。照明設備もある専用球場には、室内練習場も併設。恵まれた環境で「いつでも、練習に付き合えます」と、部員のために全身全霊を傾けている。

全国4強のサッカー部に刺激


 帝京高(東京)では前田三夫監督の指導を受け、甲子園には3回出場。3年時は春、夏とも連覇を遂げるPL学園高(大阪)に敗退している。ハイライトは3年夏、東北高(宮城)との2回戦で大会史上20人目のノーヒットノーラン。心身ともタフで、制球力が武器の右腕だった。プロでは日本ハムソフトバンクで計19年、現役最終年は台湾でプレー。主に中継ぎとして存在感を示している。

 現役引退後は社会人野球、日本ハムでコーチを務めた。その後は5年間、日本ハムでスカウト(関西担当)として年間約500試合を視察。17年に退団後は学生野球資格回復の研修会を受講し、承認を得た18年2月以降はアマ球界での指導をスタートさせた。

 高校だけでなく、小学生、大学生とも向き合い、野球の基本を教えた。母校・帝京高に加えて、同校の前田監督と親交があった帝京長岡高・浅川節雄校長(野球部長)との縁で、同校も外部コーチとして指導するようになった。18年秋には県大会4位で26年ぶりの北信越大会出場と早速、成果を収めた。ところが・・・

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