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新型コロナショックの現在地

MLBと選手会が大論議を経て7月無観客で開幕を目指す 国民的娯楽の役目を果たすため

 

MLBの決断は早かった。現地時間3月13日に新型コロナウイルスの感染拡大で、キャンプを即日中止。そこから選手会と一致団結し、さまざまな議論を重ね7月開幕への道筋を練っている。

無観客試合で7月の開幕を想定しているメジャー。9月には観客を入れる予定で動いているが、今季ファンと選手がスタジアムで一緒に興奮できるようになるのだろうか[写真はイメージ]


最悪を想定した討論


 新型コロナウイルス感染拡大で、日米のプロ野球界で正反対だったのは初動の対応だった。3月下旬、日本で仮の開幕日を4月10日、14日など6通りに設定していたとき、MLB機構と選手会はシーズンがキャンセルされたケースについて2週間休まずに話し合った。

 過去、機構と選手会の両者は利益分配などで何度も揉(も)め、ストライキやロックアウトを招き、話し合いは泥沼化したが、今回は昼夜ぶっ通しの大論議で、互いに妥協点を見いだし短期間で合意した。

 まず、シーズンが完全にキャンセルされても選手はサービスタイムをフルに与えられることになり、ここはオーナーが妥協した。一方でオーナー側は4月と5月、選手側に総額1億7000万ドルのサラリーを前払い、そのままシーズンがキャンセルされた場合でも払う金額はそれだけで、選手側は訴えないことが決定された。19年シーズンMLB30球団が選手へ払ったサラリー総額は約39億ドルだから、ここは選手側が妥協したことになる。

 日本が希望的観測で仮の開幕日を設定していたとき、MLBは最悪のケースを想定し期待値を下げておいたのである。あれから1カ月が経過、MLBは今・・・

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