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神は細部に宿る

今永昇太コラム 第5回「プロを意識し始めた高校時代」

 

高校3年夏ごろには140キロを超えるまでに球速が上がってきました(3年夏福岡大会2回戦、戸畑高戦)


学ランと制帽で通学


 前回の続きで、今回は高校時代を振り返ってみます。僕が進学することになった福岡県立北筑高はすごく真面目な学校でした。今はどうか分かりませんが、僕たちのときは学ランに制帽をかぶって登下校していました。時々、通学路に先生が立って生徒の様子をチェックしているんです。そこで制帽をかぶっていないと、職員室に呼ばれて部活に参加できなくなるペナルティーが下されます。さらに近所に住んでいる方からも北筑生が帽子を着用していないと通報されてしまうので、気が抜けませんでした。僕は3年間、自宅から高校までの道のりで制帽を脱いだことがなく、丸刈りに帽子を目深にかぶって自転車で通学していました。ちなみに、自宅のベランダからは小中高の校舎が見えるんです。本当に狭い世界しか知らない少年時代でした。まさに「井の中の蛙」とは、こういうことを言うのでしょうね。

 北筑の野球部には当たり前の上下関係はありましたが、特に先輩が怖いということはなく、普通の野球部という雰囲気でした。過去に甲子園出場はなかったので、僕と入れ替わりで入学した3つ下の代が夏の福岡大会決勝まで進んだのが最高成績です。何より勉強が優先の学校で、生徒の完全下校が19時半。グラウンド整備を終えて19時過ぎには部室に戻り、急いで着替えてダッシュで正門をくぐるような日々でした。しかも・・・

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球界きっての理論派サウスポー、DeNA・今永昇太が右脳で語る!

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