週刊ベースボールONLINE

2020社会人野球監督クローズアップインタビュー

西田真二(セガサミー監督)インタビュー 一発勝負を制す「克己心」の神髄 信じ合う心の共有 「ベストは使いたくない。ベターを追い求めていく」

 

緊急事態宣言は5月25日に全面解除され、社会人野球にも球音が戻ってくる。6月6日の対外試合解禁を前に、セガサミーは同1日からチーム練習を再開した。約1か月半のブランクも、新指揮官に不安は一切ない。
取材・構成=岡本朋祐 写真=BBM

今年1月からセガサミーを指揮する。NPB、独立リーグなど多くの舞台を踏んでおり、指導の引き出しも多い/写真=政川慎治


 最近、衝撃を受けたニュースはラグビー界の鉄人・大野均(東芝)の現役引退表明だという。スクラムを支えるロックで、日本代表として歴代最多の98キャップ(代表戦出場試合数)のレジェンド。かねてから楕円級に興味を抱く西田真二監督は、献身的な姿勢に感銘を受けていた。

「ラガーマンは『思い』を、体で表現している。まさしく、自己犠牲の精神です。大野選手は倒されてはすぐに立ち上がり、痛みを恐れず、相手にタックルする。チームスポーツの良さは、ミスをしても、誰かがカバーするところ。ラグビーを野球に置き換えたときに、何が大事かと言えば、誰にでもできるバックアップです。会社があっての野球部。里見治会長、里見治紀社長、そしてセガサミーという企業の『思い』に応えるのが、私の役割。選手が力を発揮できるような環境をつくっていきたいと思います」

 華やかな現役生活を送ってきた。名門・PL学園高(大阪)では左腕エースとして木戸克彦(元阪神)とバッテリーを組み、78年夏に全国制覇を達成。木戸とともに入学した法大では野手に専念し、東京六大学リーグ戦でベストナイン5回受賞。最終学年の82年春には10戦全勝優勝を遂げると、全日本大学選手権も制覇。学生野球の桧舞台である甲子園と神宮、双方で頂点を経験した超エリートである。西田は広島、木戸は阪神、さらにエース右腕・田中富生日本ハムと、3人そろってドラフト1位でプロの門をたたいている。

 広島では好機で無類の強さを発揮し、実働13年で、ファンに多くの夢を与えた。95年限りでユニフォームを脱ぐと、野球評論家、広島コーチ、四国IL・愛媛の監督、社会人クラブチームの監督を経て、07年に四国IL・香川の監督に・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

HOT TOPICS

HOT TOPICS

球界の気になる動きを週刊ベースボール編集部がピックアップ。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング