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新時代を翔ける男たち SUN RISE INTERVIEW

オリックス・太田椋インタビュー 1球で仕留める 「一軍の試合に出て意識が変わった」

 

プロ2年目は期するものがある。今季こそ一軍で結果を──。将来の有望株を取り上げる連載インタビュー第2回は1シーズンを過ごして目の色が変わったこの男に迫る。
取材・構成=鶴田成秀 写真=宮原和也


“無安打”から見えたもの


 経験を積んだからこそ、意識が変わった。将来の正遊撃手候補と期待され、昨季入団した高卒ドラ1は、1年目からファームで6本塁打とポテンシャルの高さを示してシーズン最終盤に一軍デビュー。だが、13打数無安打と結果が出ず。そんな悔しさが、19歳の意識を変えた。プロ2年目の開幕へ。思考や言葉の端々からは決意の強さが感じ取れる。

──キャンプで右太ももを負傷も、開幕延期が幸いして掲げる目標『開幕スタメン』のチャンスが再来しています。

太田 通常の開幕日だったら間に合ってなかったので、個人としてはプラスに考えています。昨年のオフに入るときから『開幕戦にスタメンで出る』という意識で取り組んできたので。そこに向けてしっかりアピールしないといけない立場。練習試合で、結果を残していきたいと思っています。

──昨年は「同級生が大卒で入団する4年後にレギュラーを」と言っていましたが、意識が高まった理由は。

太田 やっぱりシーズン終盤に一軍の試合に出させてもらったことが大きかったんです。そこでは、まったく結果を出せなくて、力不足を痛感しました。その悔しさが一番で、その思いから“来年(今年)こそは”という気持ちが出てきたんです。

── 一軍で6試合に出場して13打数無安打。力不足を痛感した点は何だったのでしょうか。

太田 一軍のピッチャーは、そう簡単に打てるボールが、なかなかこない。その中で、結果を出すには、いかに甘いボールを1球で仕留めるかだということを痛感しました。自分には、それがまだまだ足りない。甘いボールを仕留めきれなかったんですよね。バットは出るけど、打ち損じたりして……。

──プロ初打席から2打席連続で四球でした。“選球”はできていながらもボールをとらえきれなかった、と。

太田 ピッチャーに応じて狙い球などを変えたり、しっかり意識を持って打席に立っていたので、ボールの見極めは確かにできたのかなと思っています。でも、見極めればいいわけではないんですよね。打てると判断したボールをいかに仕留められるか。ボールを見極められたからこそ、仕留める大事さを痛感したんです。ただ……。

──ただ?

太田 試合を重ねるにつれて、どんどん見極めもできなくなっていったんです。やっぱり結果が出なくて「早く1本(ヒットを)打ちたい」という焦りが出てしまって。その焦りから、ボール球に手を出し、少しずつ選球眼にも狂いが出てきてしまったんです。

──となれば、当然“一軍初安打”も、1つの目標なのでは。

太田 もちろんです。でも、それは開幕戦で達成したい。早く達成して、次に行きたいと思っています。

──決意の強さがうかがえます。それだけ昨年の悔しさを含めた経験は大きかったのですね。

太田 一軍の試合のほかにも、いろいろなことを経験できた1シーズンだったので。

──振り返れば、昨季は開幕直前の教育リーグで死球を受け、右手首を骨折してのスタートでしたからね。

太田 これから1年目が始まるのに……という悔しさみたいなものも多少はありました。でも・・・

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