前例のないシーズンを制して3年ぶりのリーグ優勝へ、カギを握るのは新風を巻き起こす旬なプレーヤーだ。抜群の打撃センスを武器に、チャンスで勝負強さが光る期待の星。今ではリードオフマンとしても、その存在感は増している。 取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭、高塩隆 恩返しとなるプレーを
昨年末、栗原陵矢の地元・福井を訪ね、野球人生の原点に触れるロケ取材を行った(→ふるさと紀行 栗原陵矢 やんちゃっ子、夢のはじまり)。そのときにも繰り返し口にしていた“試合出場への強いこだわり”。持ち前の打撃力に磨きをかけ、捕手登録ながら一塁や外野をこなすのも、試合に出るためにほかならない。そして、つかんだプロ初の開幕スタメン。そこから7月19日現在(以下同)、全試合にスタメン出場。勝負と位置付けた6年目、必ずや飛躍の年にしてみせる。 ――開幕から5カードを終え、自身の活躍を客観的に見ていかがですか。
栗原 良くも悪くも、という感じですね。どこまで(試合に)出ても満足はできないと思います。それに、言ってもまだ序盤なので、何とも言えないというのが本音です。
――では、手応えも感じていない?
栗原 そうですね。まだまだ「これだ!」という感覚は全然ですね。
――それでも、試合に出続けて安打も重ねている要因は、どこにあると思いますか。
栗原 しっかりと、「準備」という部分では、試合前の練習であったり、試合が終わってからの確認作業であったりが、できているからなのかなと思います。
――「準備」とは具体的には?
栗原 これまでと基本的にやることは変わらないのですが、前日の打席などを映像で振り返りながら、気になった点を「今日は練習から少しこういうことをやろうか」と。コーチの方とも話し合いながら取り組んでいます。
――ここまで、無安打が3試合以上続いたことはありません。
栗原 そういった部分にも準備の成果が出ていると思います。僕はホームランバッターではないので、打席に立ったら何とか出塁したいと考えている。そういう意味でも無安打で終わってしまうのは嫌ですし、たとえヒットが出なくてもきっちりフォアボールを取る。そこは結構気に掛けています。
――打席に立つ上での意識、大事にしていることは何ですか。
栗原 1打席1打席を必死に。あまりあれこれ考えるのではなくて、本当にいま自分ができる精いっぱいのことだけを集中してやろうと打席に入っています。でもそれは・・・
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