「夏の風物詩」が、今年も見られる。中止となった今年3月のセンバツ出場32校の「救済措置」として「2020年甲子園高校野球交流試合」が8月10日から甲子園で開催される。今夏は地方大会と全国(甲子園)大会も中止となった。特別な思いを胸に秘めて、32校があこがれの舞台に立つ。 昨夏、全国3730校の頂点を懸けた甲子園決勝カードがみたび組まれた。昨春のセンバツ1回戦では、星稜が勝利(0対3)。夏は履正社が星稜・
奥川恭伸(現
ヤクルト)を攻略(5対3)して、初の全国制覇を遂げている。
星稜の主将・内山壮真は1年夏から遊撃のレギュラーで、昨夏まで3季連続で甲子園の土を踏んでいる。新チームから「主将・捕手・四番」と、文字どおりチーム浮沈のカギを握る立場となった。「昨夏の借りを返す。見てくれている人に元気を与えたい」と、これ以上の相手はいないだろう。今回の交流試合を集大成として位置づけ、両校ともプライドを懸けた激しい攻防は必至だ。
すでにテンションはピークに達している。同じく「打てる捕手」として対抗心を燃やしているのが、履正社の主将・関本勇輔だ。「昨年の北信越大会優勝チームで、投打でレベルが高い」と警戒する。関本の父・賢太郎氏は
阪神の代打の切り札として活躍した。勇輔はそんな父の勝負強い血を継ぐ。2年春は代打で1打席、夏の甲子園は控え捕手(出場なし)だっただけに、中心選手としての心身の充実ぶりにも注目したい。2人の「主将・捕手」が火花を散らしていく。