週刊ベースボールONLINE

ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

短期連載ダンプ辻コラム 第26回「ダメなヤツを勘違いさせるな?」

 

72年には7勝を挙げた阪神・平山


ブルペンでの暗示


 そう言えば、この間の連載、間違えていましたね(第24回)。二死2ストライクで、自分たちが一塁側ベンチの場合、右打者の外のボール気味の球を捕ったら、そのままベンチに戻って、審判が「ストライク」と言うしかないようにすると書いてあったじゃないですか。逆です。三塁側のベンチのときです。ミットをホームに向けて捕ったら、すぐ立ち上がり、ベンチに戻っちゃうんですよ。

 でも……なんか、不思議ですね。これを読んでいる人は、僕が話したまま書いてあると思っているのに、実際には、あなたが聞き間違えても、僕が話したこととして文章になってしまう。いやいや、責めているわけじゃないですよ。むしろ、なんか面白いな、と思って。それに僕が紛らわしい言い方をしたのかもしれないし、実際、言い間違えたのかもしれないですしね。

 言葉って難しいですよね。相手が、こっちの意図とまったく違うふうに取ることもよくありますし、言うタイミングもある。言い間違いではないけど、キャッチャーをしていて、ピッチャーに対する言葉の掛け方に失敗したかなと思ったことは何度もあります。

 例えば、すごくいいナチュラルスライダーを投げる右ピッチャーがいたんですよ。左バッターが外角だと思って振ると、根っこに当たってバットが折れるくらいよう曲がるんです。でも、僕がそいつに「いい球、投げるな。どうやって曲げてるんだ」と聞いたら、あ〜ら不思議(笑)。そこからまったく曲がらなくなった。言われたことで意識して、余計な力が入っちゃったんでしょうね。

 ナチュラルスライダーと言えば・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

HOT TOPICS

HOT TOPICS

球界の気になる動きを週刊ベースボール編集部がピックアップ。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング