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平野謙の「人生山あり谷あり、感謝あり」

平野謙コラム 第22回「あまり記憶にない?西武黄金時代」

 

91年日本シリーズ第7戦で逆転の二塁打を放ち笑顔の平野氏。あまり覚えてないようです


デストラーデはなぜ打てた?


 優勝を決めた後、みんなで帽子を投げ上げるシーンですか。確か1990年くらいから始めたんじゃないかな。映画『愛と青春の旅立ち』のマネ?(アメリカの士官学校では卒業式で一斉に帽子を投げ上げる慣習があり、映画でそのシーンがあった)。さあ、どうでしょうね……覚えてないな。でも、あのむさ苦しい連中が、よくそんな気取ったことをしていましたね(笑)。

 正直、西武に行って92年くらいまでは、あまり細かいところを覚えていないんですよ。こうやって質問してもらうと「ああ、そんなことあったな」と思い出すんですけどね。それだけ無我夢中でやっていたからかな……。毎年のように優勝していたから、優勝に慣れちゃったところもあるでしょうね。ああ、また勝ったわ、って(笑)。

 93年くらいからは、少しはっきりしてくるんですよ。たぶん、体の衰えを感じてきたからでしょうね。このままじゃいけない、なんとかしなきゃとあらためて思い、いろいろ考えながらやってましたから。

 話を前回に戻しましょう。90年の巨人との日本シリーズ1戦目で、初回にデストラーデの3ランが飛び出し、これは勝てるなと思ったところまで話しました(試合は5対0と快勝)。もちろん、加藤哲郎(前年89年の日本シリーズで3連勝の後、「巨人はロッテより弱い」と発言した近鉄の投手。その後、巨人ナインが燃え、4連勝した)の例もあるんで「勝てると思っても言葉にはするなよ」と言いながらね(笑)。

 デストラーデは前の年の途中入団でしたが、陽気な男でしたよ。打率は大したことなかったけど、この年、確かホームラン王と打点王を獲とっているはずです。ただね、・・・

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