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都市対抗野球 チームクローズアップ

【7年ぶり15回目】TDK「挑戦者」が誓う14年前の快進撃の再来

 

東北地区二次予選では怒涛の3連勝。宮城県勢3チームを下して、7年ぶりの東京ドーム切符を手にした。2006年には東北勢として初制覇。地元の大声援を背に、東京ドームで躍動する。
取材・文=上原伸一 写真=田中慎一郎

若い布陣であり、7年ぶりの都市対抗出場にチームは活気に満ちあふれている


「ここ5年、企業チームに勝っていなかった初戦で、難敵である七十七銀行に勝てたのが大きかったですね。これで都市対抗に行けるのでは……一気にそんなムードになりました」

 佐藤康典監督(秋田経法大付高)は、第1代表で勝ち上がった東北地区二次予選をこう振り返る。指揮官はTDKで7年間プレー。TDK千曲川に移ってからは監督としてチームを率いていたが、2009年の廃部・統合に伴い、TDKの監督に就任。同年の都市対抗出場に導いたのち、11年まで指揮を執り、18年7月に監督に復帰した。今回が監督としては4回目の出場になる(TDK千曲川では2回、監督兼選手で出場)。

 勢いを味方にした二次予選。チームの中心になったのは「若い力」だった。佐藤監督は「昨年は5人、今年は7人採用しました。7年も都市対抗を逃しているのを踏まえ、戦力を大幅に入れ替えたのです」と話す。七十七銀行との2回戦ではルーキーの北畠栞人(八戸学院大)と2年目の深江大晟(東北福祉大)が本塁打を放ち、日本製紙石巻との準決勝では1年目の鈴木大貴(流通経大)と高卒4年目のエース・小木田敦也(角館高)が完封リレーを演じた。一番を打つ北畠は二次予選で首位打者賞に輝いた。だが、圧巻だったのは小木田の働きだ。2回戦で2失点完投した小木田は、JR東日本東北との第1代表決定戦では延長12回をシャットアウト(2対0)。第1代表で15回目の出場へと導いた。

東北二次予選後は一定期間の在宅勤務


 平均年齢23歳の若いチームが力を発揮した陰には、皆川普主将(法大)や入社3年目の飯野周太副将(国学院大)ら、中堅世代のサポートがある。皆川主将は「若い選手たちの話をしっかり聞きながら、彼らに中心選手としての責任と自覚を持ってもらえるよう促しました」。自身は5年目。「ようやく東京ドームでプレーができるので、全国の舞台でとにかく結果を残したい」。

 かつて侍ジャパン社会人日本代表でプレーした阿部正大コーチ(軽井沢高)の手腕も見逃せない。「投手のことはすべて任せています。小木田と鈴木が計算の立つ投手になったのも、阿部コーチの指導によるところが大きい」。佐藤監督はTDK千曲川とTDKで監督とエースの関係だった阿部コーチに信頼を置く。佐藤監督が「ターニングポイントになった」とするのが、9月初旬の東海遠征だ。6試合で5敗1引き分け。勝てなかった要因は佐藤監督によると・・・

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