兵庫・小野高、慶大で活躍し、東京六大学リーグ戦では早大・和田毅(ソフトバンク)と真剣勝負を演じた元フジテレビアナウンサーで現スポーツアンカーの田中大貴は、1980年生まれの「松坂世代」の1人。そんな野球人・田中が、同年代の選手たちをプロ野球現場の最前線で取材、至極のエピソードを、コラムにして綴る連載第31回です。 松坂世代の“端っこ”
2000年代のある時期、セカンドに
東出輝裕、ショートに
梵英心、サードに
木村昇吾。
広島東洋カープの内野3ポジションが松坂世代の選手たちで埋め尽くされている状況を見て、彼らはどんな関係性なんだろう? と感じたことを今もよく覚えています。
「もちろんライバルですよ。僕がカープに在籍していたときは同級生が多くいました。投手には永川(
永川勝浩)がいて、外野には鞘師(
鞘師智也)もいて、内野は井生(
井生崇光)も山崎(
山崎浩司)もいた。彼らには負けられないという思いはありました。守備に関しては梵、東出には負けない自信がありました。でも、松坂世代の皆に対しては相手のレベルが落ちて勝ちたいという思いはまったくなくて、皆でレベルを上げる中で、さらにもっと自分のレベルを上げて超えていきたいと考えていました」
現役引退(※最終所属=17年は
西武ライオンズ)から3年、40歳になる木村昇吾の体は絞れ、表情も精せい悍かん、現役時代の雰囲気とまったく変わらない姿の彼がいました。
「クリケット選手になって3年目。ようやく“これだ”と思えるような手応えを感じられるようになりました。野球選手だったときも同じでプロの世界で戦っていける“これだ”と思えるものを感じられるようになって一軍でプレーできることになった。クリケットの世界は奥が深くて・・・
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