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平野謙の「人生山あり谷あり、感謝あり」

平野謙コラム 第26回「西武を自由契約となりあの男と一緒にロッテ移籍」

 

因縁の小野和幸[右]と入団会見。中央は八木沢監督


選手でやり切りたい


 1993年オフ、僕が西武からロッテに移籍した経緯も話しておきましょう。あのオフ、アキ(秋山幸二)たちのダイエーへのトレードだけじゃなく、FA元年ということもあって、チーム全体、いや、球界全体がすごくバタバタしていました。

 僕もFAの権利はありましたが、宣言する気はまったくなかったですね。日本には、まだなじまないんじゃないかなとも思っていました。FAは選手の権利だし、自分自身が西武移籍で再生したように、チームが変わること自体はいいことだと思うんですが、ファンがどう思うか、ということですね。アキはトレードでしたが、「なんでチームの顔の秋山を出すんだ!」という声もあった。しかもFAだと、選手が自分の意思で、より評価の高いチームへ移っていくわけじゃないですか。選手もファンも、そこまでビジネスとして割り切れるかなと思っていました。

 まあ、そんなこと僕が考えても仕方がなかったんですけど、マジメなもので、ついついあれこれ考えちゃいました(笑)。こっちはFAと似て非なる立場の自由契約、いわゆるクビを宣告された身だったのにね(笑)。

 球団から戦力外と言われたのは、11月の初旬でした。最初は任意引退でどうだと言われたけど、「選手を続けるかどうかは分からないけど、やりたくなるかもしれないから、自由契約にしてください」という話をしました。どの球団とも話ができるようにですね。ショックは別になかったですよ。呼ばれたときから何の話か察していましたし・・・

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