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ダンプ辻のキャッチャーはつらいよ

短期連載ダンプ辻コラム 第34回「個性派だったタイガースの 一塁手2人」

 

試合でも飲み屋でも親分だったという遠井


都市対抗の後、阪神入団


 この間、CSを見ていたらソフトバンクの甲斐(甲斐拓也)がよかったですね。ロッテの藤原(藤原恭大)の盗塁を刺したシーンがありましたが、昔の甲斐に戻っていた。捕ってからが早く、横着して体が左右に動いたりしない。テレビ画面越しですが、気持ちも伝わってくるんですよ。あれを見たら、相手も盗塁のサインはなかなか出せないでしょうね。

 僕も、相手のコーチから盗塁のサイン、エンドランのサインを「出しづらい」と言われたことがあります。「そんなこと言わず、どんどん出してくださいよ」と言ったんですが、「お前、反応して動くやないか。だから呑気に出せなくなった」って。まあ、駆け引きもありますが、相手の作戦を見抜くのが仕事ですしね。ありがたい褒め言葉だと思って聞いてました。

 日本シリーズの走者対キャッチャーで言えば、昭和46年(1971年)の巨人─阪急が有名ですよね。巨人の捕手の森(森祇晶)さんと、福本(福本豊)の対決。森さんの肩が衰えていたころで、売り出し中の福本に走りまくられるんじゃないかと言われたけど、第1戦から福本の足を封じ込め、福本がスタートを切れなくなった。

 一つはピッチャーのクイックです。特に1戦目の堀内(堀内恒夫)はうまかったからね。ただ、それだけじゃなく、森さんもいいスローイングをしていました。あとで聞いたら「前に出て、投げる距離を短くしたんや」と言っていた。確かに捕ってそのまま前に出て投げたら早いけど、これってバッターが振ると怖いんですよね。バットが当たりそうで。

 そしたら森さん・・・

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